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香る一夜

「ほ、んとに、初めて、ですか」 上がる声を堪えながら途切れ途切れに零す紫音に斎藤はキスで答える。 自分でもびっくりだ。 驚くほど抵抗がないのは紫音が相手だからだろう。 他の男に同じように出来るかと問われれば答えは否だ。 口を開けたまま紫音の口に噛み付くようにキスをすればそっと舌が伸ばされその舌を舐め吸った。 頬にキスをしてから耳の形に沿って舌を這わせればふるっと紫音の身体が震える。 耳の中にも舌を入れるとびくっと揺れながら声を洩らす。 もちろん紫音の中に入れている指も休めず解すようにゆっくりと回しながら少しずつ奥を目指していた。 耳から首筋に唇と舌を移す。 鎖骨に軽く歯を立てながら舌でなぞり、片方のてのひらを胸に滑らせると微かな突起の感触がする。 「乳首も感じる?」 斎藤の問いに紫音は眉を顰め吐息をはきながら小さく頷く。 「あなたに……触れられると、たぶんどこも」 これも演技だろうか。 溺れさせるための嘘だろうか。 女性の物よりずっと小さい突起を一舐めしてから口に含み舌で弾くと紫音の腰が揺れる。 強めに吸い、もどかしいほど軽く舌で舐める、 斎藤の動き一つ一つに微かな声を上げ、中に入れた指をきつく締め付けた

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