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香る一夜

「動いても、平気?」 中に埋め込んだまま爆ぜるという情けなさだけは避けたかった。 だが、それがあり得る状況に斎藤はめちゃくちゃに腰を打ち付けたい衝動を押さえつけながら紫音に聞いた。 小さく頷いた紫音の腰を掴み、さっき根本まで埋め込んだソレをゆっくりと引き出す。 「ぁ、んん」 ゆっくりな動きに中の蠢きがそのまま伝わる。 「童貞に戻ったみたいだ」 軽く笑いながら自虐的に言った斎藤を紫音が艶めいた吐息を吐き見上げる。 「めちゃくちゃにしそう」 「………いいです」 「え?」 「めちゃくちゃに、していいです」 紫音の手が腰を掴んでいる斎藤の腕に触れる。 「どんなにされても、あなたなら気持ちいいから」 ドクンと脈打ち質量を増した気がした。 何も言わずに腰を深く打ち込むと紫音が微かな喘ぎ声を上げ顔を反らした。 腰から手を離し、紫音の膝裏に腕を入れ貪るように腰を振った。 粘着音に加え濡れた音、絶え間なく上がるようになった紫音の甘えるような喘ぎ声にもう止められる気がしなかった。 「あっ、もう出るっ、待って…」 「いいよ、イッて」 斎藤の声に紫音の入り口と中がきゅうと締まった。 「ひ、とりは、や、です、あっ」 「ごめん、俺もうちょっと楽しみたい」 奥を抉るように腰を回すようにして入れ込むと頭を乗せているクッションを強く掴み内腿が細かく痙攣した。 紫音の身体がぶるぶると震えたと思ったと同時に紫音のから白濁の液が紫音の身体に飛んだ。 二回、三回と分けて飛ばされる白濁液と揺れるソレを斎藤は息を荒く吐きながら凝視している。 とても厭らしくとても綺麗だと思った。 斎藤はこみ上げる果てを誘う蠢きに堪らず腰を振るのを再開させる。 「あ、や、まって、イッたから、」 「ごめん、も、限界」 紫音の脚を上げさせ腰を深く強く打ち付ける。 紫音の高く喘ぐ声と強烈な快感に背筋を何かが駆け上がり、斎藤は奥深くまで入れ込み果てた。 避妊具を破ってしまうのではないかと思うほど膨れ温い液体を何度も吐き出しながらそれが止まるまで腰をぶつけた。

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