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蘇る四夜

明義が繋いでくれた男から引き継がれるように色んな男と会った。 いつか政治の仕事がしたい、そういう若く美しい紫音に皆表向きは優しく接した。 明らかな下心を全面に迫る男の扱いにもかなり慣れた。 成長しても毛も生えないこんな不出来な身体で良ければしゃぶるなり舐めるなり好きに貪ればいい。 そう思っているのに、どうしても最後は許せなかった。 頭に浮かぶ。閉じた瞼に蘇るようにあの男の顔が消しても消しても浮かぶ。 人の良さそうな笑顔。 低いけれど耳に残る甘い声。 細く長い指に愛を囁きたくなる形の良い耳。 話したのはあの日だけ。 それなのにどうしてこれほどまで蘇り思いを募らせるのだろう。 ルーツを知る。 そのためならば何も望むまい。 そう決めたのに簡単に揺らぐ愚かな自分を戒めるように、紫音は幾夜も身体を惜しみなく晒し口淫で男たちを果てさせた。

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