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蘇る四夜
ずっとバタバタしていた。
何度か駆けつけた店は既にシャッターが降りていて彼女に会えない日々が虚しく過ぎていく。
だいぶ手前から止めたタクシーから飛び降りるように出、彼女の店まで学生時代以来全力で走った。
シャッターが閉まっている。
今日もダメか。
そう思い走るのを止めた目に半分ほどで止まったシャッターが見え、また駆け出した。
勢い余って止まれずシャッターにぶつかるようにして漸く脚をとめた。
そのまま声を掛ける。
返事がない。
腰を降ろしシャッターの下から中を覗く。
暗い店内に彼女の姿が浮かぶように見えた時それまで感じないようにしていた気持ちが一気に溢れた。
会いたかった………
名前が知りたい。
どんな声で笑うの。
その手はどんな温度でどんな手触りなの。
細いその髪は柔らかいの。
どんな香りを纏っているの。
もう…特別な誰かはいるの。
聞きたいことは湧き出る水のようにあるのに、どれ一つも聞けなかった。
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