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えらーエラーError
俺は凄腕のハッカーだ。
自分で凄腕なんていうなんて驕っていると思われるかもしれないが事実だ。
対象の相手のパソコンに侵入し情報を抜き取る、いままで一度も失敗したことがない。
だが今回はその俺の力を持ってしても相手のもとに侵入することができない。
「くそっ……」
悪態をつきながらもパソコンを叩く手を止めない。
報酬も破格で誰も成功できていないと聞いてすぐに名乗りを上げた。
俺にできないことはないと舐め腐っていた。
「……! わかった、ここか。
ここから侵入すれば……よっしゃ、入っ、た?」
相手の懐に入ったと思った瞬間、『おめでとう』とメッセージが表示される。
ガタンっと大きな音を慣らしながらモニターから離れる。
やばい、これは相手にバレた。
おちつけ、大丈夫だ。まだ俺が侵入した形跡を隠せばいい。
だからまず、侵入がバレてるなら他のやつが侵入したように見せかければ。
椅子に座り直そうとして
「残念、もうバレてるよ」
後ろから声が聞こえたかと思うと首に痛みが走った瞬間意識が飛ぶ。
――
「……い、おーい、そろそろ起きたらどうだい?」
声が聞こえてはっと目を開くと目の前に知らない男がいる。
体は相手に股が丸見えるように開かれ膝同士がテープで止められ伸ばすこともできない。
手を動かそうとするも上の方でがしゃがしゃとうるさく音がなるのみ。
声を出そうとするも口に何か咥えさせられていて声が出せない。
「はい、対面では初めまして〜。君がハッキングしようとしていたパソコンの持ち主です。
どおどお? ハッキングできなかった上に相手に捕まってる気持ちは?」
伸ばしてきた手から逃れるように体をひねる。
だが体はほとんど動かせず相手に好きなように触られ全身に鳥肌が立つ。
拒否したくても声が出せないから体を動かして嫌だと動かすけれど相手は介した様子もなく今度は俺のズボンをおろし始める。
「んー! んーーー!」
「怖くない怖くない、怖いと思うから怖いんだよ。
痛くしないから大人しくしててよ」
俺のものに冷たい液体をかけられ、冷たさと恐怖で体の震えが止まらない。
男が俺のものをしごき始める。
「うーん、やっぱり勃たないか」
見るのも嫌で目をつむる。
早く終われと祈りながら体を固くする。
「ひっ?!」
「はーいちょっとごめんね~。ナカ失礼しますよー」
尻に冷たいものがかかったと思うと異物が入ってくることに驚いて目を開ける。
男の指が俺の尻の中に入っている。
目の前で起きていることが信じられなくて気持ち悪くて暴れまくる。
生理的に溢れてくる涙が止まらない。
「そんなに泣かないで、もう終わりだから。
ほら、口のやつも取ってあげるから」
口が自由になり急に入ってきた空気にムセこむ。
「辛かったね〜、でもこれからがもっと辛いから頑張ってね」
「……ぅぇ?」
どういうこと、と聞こうとした瞬間俺のものと尻がかゆくなり始める。
いや、かゆいなんて生易しいもんじゃない。
かゆすぎて逆に痛くなってきているような。
今すぐかきむしりたい衝動にかられるが手が固定されていて動かない。
恥も外聞も殴り捨てて目の前の男に叫び頼み込む。
「かゆいかゆいかゆい! か、かいて、お願いします、手のやつ外して。
かゆ、かゆい、かきたい!」
「こら暴れたら傷になっちゃうでしょ。
君がちゃんと反省して悪いことしてごめんなさいって言えたらね」
「ご、ごめんなさい、反省してます、ゆ、許してっ!」
俺が叫んでいるのにも介さず男は部屋から出ていってしまう。
「ごめんなさい、もうしないから、許して。かゆい、かかせて、うわぁぁあ、やだぁあ!
助けてたすけてもうやだってばぁあ!」
――
「……どう? ちゃんと反省した?」
「はんせい、した。も、しない。ごめんさいっ」
男がいいこいいこと言うかのように俺の頭を撫でる。
叫びすぎて喉はカラカラで痛い。
けれどまだ尻もちんこもかゆくて体の痙攣が止まらない。
「おねあいしまず、て、はずしてくらさい」
「じゃあこれから僕のお抱えのハッカー兼ペットになるって約束するなら拘束全部外してかゆいところにも薬塗ってあげるよ」
ペット と聞こえた気がして返事に一瞬詰まる。
お抱えのハッカーだって嫌なのにペットなんてろくなことがない気がする。
「い、いぎゃあぁぁあ!! そ、それいやだやだ」
「返事がなかったからかゆいの追加するよ」
「なる、なるから。あんたのハッカーになるから。ペットにもなるから!
おねがいしまず、もうやだかゆいぃい!」
「僕が聞いたらすぐ返事すること、ちゃんとできなかったらからこうなってるんだよ。
僕だってしたくないんだけどね。
ほら、躾は初めが肝心って言うでしょ……って、おーい聞こえてる?
ありゃーもうだめだ聞こえてないな」
あと3時間頑張ったらお終いにしようね。
どこか遠くからそんな悪魔の声が聞こえた気がした。
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