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 それにしてもこうして見るとカイの体は細いと思っていたが割と筋肉質で、へそのあたりの筋肉が動くさまなども、とてもきれいだ。  腕の血管や、首ののど仏や、足の指先に至るまで、どこを切り取っても申しぶんない。  美しいものが好きな斎東もこちらに来てあの体を一緒に眺められればいいのに。などと、馬鹿なことを考える。 「ん、…ぃ…や… ッ! ……ぁああっ!」  ほら。力が抜けた瞬間にそんな大声を上げる羽目になる。  斎東が満足そうにせりあがっていって、カイに口うつしでカイが出したものを与えようとする。カイが嫌々をするように首を振ってあらがう。 「うあぁッ!」 挿入されていた指を乱暴にひき抜かれ、カイがおもわず固まったところに、斎東が舌を入れる。だが、斎東。さすがに危険すぎやしないか。 「ん!」  斎東が顔を上げた。 「いって~な」  やはり舌を咬まれたようだ。  たぶん顔は笑っている。楽しんでいるからだ。もう少し照明が明るければ悪鬼のような斎東の顔も見られるのだが。今は、泣きそうになっているカイの顔しか見えない。  白い肌は上気して、形の良い唇から涎とも見える艶めかしい雫を垂らし、喘ぐように息をしている。  カイの反応だけで斎東は充分に盛り上がっているのらしい。カイの下半身が濡れているのに満足して、カイの両足を抱えるように、それの体勢に入る。  腕を上げられたままのカイはすでに体を硬直させ、成り行きを見ているだけになっている。斎東のあれが見えたのだろう。そして、今から行われる行為を理解し、恐怖で体が動かないのだ。  無理もない。何度か斎東に抱かれたが、そのとき私は斎東のあれに潤滑剤として飴油を塗らせた。それでもかなりの負担だった。それもなしに、素人らしきカイに対して初めての行為に及ぶつもりだろうか。最後までいくまえにカイが失神して終わるかもしれない。  だがふと、布団の隅に転がっている茶色の小瓶に目が留まった。液体が少し垂れている。  なんだ。さきほど指を挿入したときに、カイの中に塗りこんだのだ。これならしばらくはだろう。やはり酒を持ってくるべきだった。 「――ッ!」  悲鳴があがるかと思ったが、カイは我慢強く斎東を受け入れた。  とはいえ、斎東が腰を動かすたびに、うめくようなあえぎ声が聞こえる。斎東は容赦なく腰をすすめ、そして動かす。  やがてその動きはだんだんと激しくなり、斎東が荒く息をしているのが聞こえ始めた。 「…ひぅッ…――ん、あッ… アッ、あ、あ、ぁあッ … 」  カイの声も少しずつ大きくなる。与え続けられる刺激と痛みと恐怖とに、耐えきれなくなってきている。 「ひ、 …あっ―― …あぁアあ――!」  カイの絶叫。少し裏返ったが、いい声だ。  斎東は、カイのなかに自分の蜜を撒き散らしているのか、背中を痙攣させるように小刻みに震わせた。  ふうっ…と、大きく息を吐き、斎東はカイのうえに寝そべるようにして腰を曲げると、カイの唇を舐めた。  そこでようやくカイの意識が無いことに気付いたのか、「あれっ?」 と間の抜けた声を出す。  斎東。カイは頑張ったほうだ。意識が戻ったら褒めてやれ。  存分に楽しんだので、そっと押入れを出て自分の布団に潜り込み、眠りについた。  明日は斎東に、何食わぬ顔をして感想を聞くとしよう。 ------------------→つづく

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