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第2話(3)
「伝承通りであれば、あとは魔力をこの魔法陣に込めるだけです。」
伝承の内容を記した書物を何冊も調べ、女神召喚の準備まで漕ぎ着けた。
あとは王族が持つ特別な魔力を用意した魔法陣に込めるだけだ。
「分かった、皆下がれ」
アスラン王子が家臣たちを下がらせ、魔法陣に手を添える。魔力が込められた魔法陣は黄金に輝き出す。
「おお…!!陣が発動したぞ…!」
さらに魔法陣が眩い光を放ち、視界を遮る。
「くっ……!」
光は段々と薄れていき、皆静かに目を開ける。
さあ、鬼が出るか蛇が出るか…
「!」
魔法陣の前にいた人物は目を開けた瞬間、目の前の光景に驚く。
「め、女神様が……」
目の前にいたのは――
「2人???!!」
中性的な男が2人、魔法陣の中で震えながら抱き合っていた
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