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第5話(2)
「…ここは?」
「私の執務室です。部下もこの時間は各々業務で出払っています。」
ここで休んでいてください。と言いながらソファに座らせてくれる。
「あ、ありがとうございます…」
「落ち着かれるまでここに居てくださって結構です。そのにあるブランケットもお使いください。私も席を外します」
気を遣ってくれているのだろう。恥ずかしいがここは彼の好意に甘えるしかない。
レオンハルトは静かに扉を閉めて部屋を後にする。
「なんで勃つんだよバカ…!」
早くいきり勃つ息子を治めなければ。幸いにもレオンハルトは体調が悪いと思っているようだ。しかし、体が熱く、立つのも辛い。まるで媚薬でも盛られたかのようだ。こんなこと初めてだ。
「だからって、部屋でヌくわけにもいかねーし…」
仕方ない、ソファで横になりレオンハルトから借りたブランケットを体に掛けて、体の熱が治るのを待つしかない。
何分経っただろう。時計を見てもまだ1、2分しか経っていない。身体が昂って落ち着かない。ブランケットを顔まで掛ける。
「あ…いい匂いがする…」
この世界にも柔軟剤は存在するんだろうか。花のような甘い香りがする。
「レオンハルトが使ってたブランケット…」
ふと、口に出る。気づいた瞬間顔が熱くなっていくのが分かる。
「何やってんだ俺…」
それでも先日の彼との行為を思い出すには充分だった。自然と手がズボンの中へと滑り込む。ゆるゆると昂ったソレを扱いていく。
「はぁ…んっ…」
レオンハルトが触れたソレを激しく扱いていく。それでも達するには自分で扱くだけでは物足りない。気づけば、下着まで脱いで自分の先走りを指に絡ませてその手を後ろへ回す。穴に触れ、ヒクヒクとさせているそこへ指を入れる。
「っん」
開発し尽くした自分の良いところはよく分かっていた。だから重点的にそこを責めながら前も扱く。でも何故か絶頂まではいかない。早く治めたいのに。
「あっひう」
あの長い指で中を擦られたらどうなってしまうのだろう。彼に抱かれてしまったらどうなってしまうのだろう。そんな妄想のせいで身体が余計に熱く昂ってしまう。
「レオンハルトぉ…ッ」
彼の名前を呼びながら自慰に夢中になりすぎていた。目の前に本人が居るにも関わらず。
「猫目…様」
「あ…」
「すみません、お邪魔だったようですね。まだ外へ出ています。」
「っ!まって!」
無意識にレオンハルトを呼び止めていた。
頭がぼうっとして思考が鈍る。ただ、今はこの熱を治めたい。
「お願い…手伝って……」
レオンハルトの袖を引く。
「熱…自分じゃ治んない…っはぁ…」
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