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第6話(1)
「ぶははは?!何それ!絶頂すると魔法が使える?!!」
受川が俺から先の話を聞き恥ずかしげもなく下品な笑い方をする。用があるからと受川の部屋に行き2人で優雅にお茶を飲んで話をしていた。
「どこのエロゲだっつーの!!あははは!!」
それは俺も思ったことだが、人に言われると恥ずかしさが増す。そして、あの後のことを思い出す。
「仮説ですが、恐らく、猫目様は絶頂することで魔法を発動させることができるのでしょう。」
「ひ、ひえええ何そのエロ設定!!?!聞いてるこっちが恥ずかしいわ!何!?王様の前でオナニーしながら魔法使えって!?」
絶頂する事で魔法が発動するなんてどこのエロいアニメの主人公だっつーの!!
「落ち着いてください。あくまで初めて魔法を開花させた者によく起こる現象ですので。大抵の場合、訓練すれば魔法を自在に使える様になります。」
「ほ、本当…?よかった〜」
レオンハルトの言葉にホッとした。本当に王様の前で公開オナニーさせられるかと思った。
「じゃあ、訓練してよ!訓練てちんこ触りながらやるんでしょ?今更他の人にしてもらうの嫌なんだけど」
ド直球でレオンハルトに頼み込む。
恥ずかしげもなく下品なセリフを吐く俺に、苦笑いでレオンハルトは若干引いている。
「私は…その……遠慮します……」
「え?!何で!?」
この流れで断られるとは思わず、何故なのか問う。レオンハルトは戸惑いながらも話す。
「…私は無礼にも2度も貴方の神聖な身体に触りました。本来ならこんなことはあってはなりません。…訓練もその様な下卑た内容にならない様にいたしますので、他の者を手配いたします。」
「な、なんで?俺は別に気にしてないし…」
「それに私は、男色家では御座いませんので。」
ここでおーい!と受川の声で現実に呼び戻される。
「それで?レオンハルトに振られちゃったの?」
「フラれてねーし!」
確かにあの時はっきりとノンケだと言われて動揺しなかった訳ではないが、だからといって俺が告白した訳でもない。
「俺は別に恋愛とかそういうのはいいって言っただろ!」
「ふーん、まあいいけど、お前のことだからまたノンケに惚れてフラれたのかと思っただけだよ」
グサッと人の傷を抉る様なことを軽く投げてくる。
「ていうか用って何なんだよ!俺をイジりたいだけなら帰るぞ!」
「あー悪い悪い!待てって!
実はさ、猫目にコンドーム作って欲しいんだけど………!!」
「……はあ???」
俺は呆気に取られた声が出てる。
「なんでゴムが必要なんだよ、ヤリたきゃ腹壊してでも生でしろ生で!」
「違う!そういう観点から頼んでるんじゃないから!」
「なんだよ?どうせ王子ともう抜き差しし合ってるんだろうが」
俺の言葉に受川は突然ブワッと大粒の涙を流し始めた。濡れた子犬みたいに泣いている。
「!?お、おい?どうした?」
「うっ、うっ、俺、このゲームの世界観の1番重要なことを忘れてたんだよ。このゲームの人たちって貞操観念が強いんだよ…」
「な、なんだよ…そんなことか…なんていうか、昔の外国の貴族みたいな世界だもんな。そんくらい普通なんじゃね?それがどうして俺がゴム作るのに繋がるんだよ」
「うっ!だってぇ…」
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