「猫目！どういう事だよ！！コンドーム出来てないって！」 「うお！受川？」 ある日受川が俺の部屋に押し入って来た。 受川は俺から使用人に渡して貰った手紙を読んだみたいだった。手紙には先日あったレオンからのお叱りの件があったのでやんわりともう制作は出来ないことを伝えたのだけど、この様子だと本人は納得いっていないみたいだ。 「落ち着けって、これには訳があるんだよ」 「コンドームできない訳って何！？」 大声でコンドームなんて使用人達もいるこの部屋で叫んではいるが皆コンドームを知らないのでそこら辺は問題なしだが、念の為使用人たちには外に出てて貰った。 受川は膨れっ面で俺に詰め寄る。 「こっちは貞操観念だけは堅い王子の攻略で苦労してるっていうのに女神の仕事までさせられて大変なんだぞ！」 「え〜？そうだったの？ご苦労サマ…？」 と呑気に答える俺。 「でもなあ、俺だってレオン…ハルトは堅物だし、あいつにディルドもどき見つかってから監視されてるんだよ。だからコンドーム作る素材だって怪しいからって王国のお金で用意してくれなくなっちゃったんだもん」 こればかりは俺はどうにもできない。受川は膨れた頬を大きな溜息を吐いて解放する。 「そこはさぁーー、猫目が誘惑するとかさ、やり方はあるじゃん？」 「は？！む、無茶言うなよ！お前だってコンドームなんかなくたってゲームで攻略してたんだろ？自分でどうにかしろよ！」 「俺は！早く！真に！アスラン様と結ばれてとにかくセックスがしたい！前戯のみとかもう耐えられない！！シリの穴に王子のチンポ入れてほしい！！！」 これでもかといったぐらいの力強い下品な演説を大声で披露された。うん。隣に聞こえてないだろうな…と心配になる俺をよそに受川の演説は続く。 「だから俺とアスランが結ばれる(セックスする)ためにはコンドームは不可欠なんだ！お前は魔法が使えないニート女神なんだからこれくらいはやってくれよな！よろしく頼んだぞ」 受川の言葉のナイフが容赦なく俺の脆めのハートをズタボロにしていく。 受川は俺をボロカスに言って満足したのか部屋を出ようとドアへ向かった所で、何か忘れ物でもしたのか途中で振り返りこう言い残した。 「あ、ディルドの試作、後で貸してくれよな」 ニヤッと笑って言いたい放題言った後、受川はさっさと部屋から出て行ったのだった。