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第7話

「なんでそんな二人とも、エロい事平気で言えるんですか?」 「ん?えへへ」 と和樹は笑った。笑っただけで何も教えてはくれなかった。 「言いたくないなら良いですけど」 「まあ、おいおいね」 と和樹は編集の続きを始めた。 時折、編集のポイントや、操作方法を教わった。 ダダ流れの一本の動画が見事に10分程度の尺に収まり、画面の切り替わりも滑らかで、音も聞いてて心地よい。 「こうやって編集できるのは、撮るときに二宮が音の切り替わりを気にして、音をしっかり止めてくれたりするからなんだ。撮影するのも大変なんだよ。場所によっては雑音も多いし。それを考えるとあの倉庫は住宅街にあって、車の通りも少ないから雑音も発生しにくいんだよ。周りの生活習慣を把握すれば何時が一番いいかもわかるしね」 と撮影の方で気を付ける点なども教えてくれた。 知らないことが多い。そう感じてみていると、おもむろに和樹は僕の手を取って撫でてきた。 「ケガした跡があるな。何かあった?」 両親も気づかないその傷跡に気付いた和樹に驚いた。 「これは、犬に……」 「犬?野良犬?」 「いえ……違くて」 いじめられたとは言えずに黙った。 「おなかすいてない?」 「そういえば、すいたかも」 「買い物行こうか」 と和樹は立ち上がった。 昼には焼きそばを作り、二人で食べて、午後はゲームをした。 お互いゲームを持っていたのでそれなりに楽しめた。 楽しい日は一日が速い。 話には聞いていたけど、初めて実感した。 和樹といるのは楽しかった。初めて会って、年も離れていて、相手のことなんてほとんど知らない。なのにこんなに楽しめるなんて思わなかった。 「帰りたくないなー」 暗くなりはじめ、ぼやいた。すると和樹は頭を撫でてきた。 「じゃあ泊ってくか?」 「んー」 と考えて 「二宮さんの方がなで心地良いのでやめときます」 「どういう意味だよ!」 とわしゃわしゃ髪を乱された。 和樹の電話が鳴り、出た。 「ああ、うん……、来たよ。今俺の隣で寝てる」 和樹がそういうと「は!?」と電話の向こうから声が聞こえた。 「返してほしければ、夕食に牛丼を買ってこい」 と言って少し話して電話を切った。 「なんか二宮すごい怒ってた。なんでだろう?」 「和樹さんが変な嘘つくからじゃないですか?」 ちょっとイラっとしながら返すと、和樹は笑って立ち上がった。 「二宮が夕食は買ってきてくれるから食ってけよ」 家に漫画を取りに行った時のことを思い返した。 今日の夕食はお金が置いてあって、弁当を買う様書かれていた。そのお金は持ってきていた。 「わかりました。お金は払います」 「おー、できた子供だなー」 と和樹はお湯を沸かし始めた。 二宮が来るとどたどたとリビングに入ってきた。 「汐音、大丈夫か!?何かされなかったか!?無理やりされて何も言えないとかやめろよ!あいつがやったことは犯罪だからな!」 「ちょっと、俺のこと犯罪者にするのやめてよー。まだ何もしてないってば―」 和樹も二宮もお互い疑心しつつ、どこか信頼しあっているようにも見える。そして二人とも、僕のことを本当に心配してくれている。それが分かった。 「大丈夫です、和樹さんとは、その……」 そこでふと別のことが頭をよぎった

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