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第三章 似た者同士?

 ふかふかの大きなベッドで、秀実は士郎と共に寝た。  ソファで寝ます、と慌てる秀実を、士郎は笑った。 「嫌だなぁ、何もしないよ」 「いえ、あまりにも恐れ多くて!」 「同じ人類の男なんだ。上下はないよ」  でも。 「でも、近藤さんは僕の雇い主ですし。それに」 「それに?」 「僕はΩで、あなたはαですし」  全くもって、固いなぁ、と士郎はプロレスのように秀実に躍りかかった。 「ちょ、やめ! 近藤さん!」 「誰がそんな差別意識を、君に教え込んだんだろうね!」  いいから寝なさい、と秀実は枕に頭を押し付けられた。  羽毛の掛布が上げられ、胸をぽんぽんと叩かれた。 「すみません」 「おやすみなさい、だろ?」 「……おやすみなさい」 「おやすみ」  ぽろり、と一粒涙がこぼれた。  僕、こんなに幸せでいいのかな。  明日目が覚めたら、公園のベンチで新聞紙にくるまって寝てるんじゃないのかな。 「そうだ……、これは夢だ……」  夢なら、もう一度眠れば覚めるだろう。  そのまま秀実は、とろとろと眠ってしまった。

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