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第三章・3

「何だか、申し訳ないです」 「私の代わりに、秀実くんに美味しいものを食べてもらうんだ。これは、君の仕事だよ」  よく噛んで、味わって食べた。 「すごく、おいしいです」 「嬉しいね」  食べてゆっくりしたら、出かけよう、と士郎は提案してきた。 「昨日も言ったけど、買い物をしよう。秀実くんの身の回りの物を揃えなきゃ」 「本当に、そこまでしていただくわけには」 「君は、私の何だ?」 「付き人です」  だったら、と士郎は大仰にうなずいた。 「だったら、私にふさわしい人間になってくれ。きちんとした身なりを整えて、ね」 「はい……」 「ああもう。もっと嬉しそうな顔をしてくれよ!」 「はい!」  それでいい、と笑う士郎は、今日も優しかった。 (やっぱり、夢じゃなかったんだ)  昨夜の内に洗濯しておいたシャツとボトムを着て、秀実は士郎と共にショッピングへ出かけた。

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