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第三章・4

「今日は、主に服を買おう。アクセサリーや小物は、また明日。秀実くんも、何か欲しいものを見つけたら、遠慮なく言ってよ」 「明日も!?」 「買うものは、いっぱいあるよ~」  そう言って士郎の入る洋品店は、全て高級ブランドのブティック。  そっとシャツの値段を見た秀実は、その金額に目を回した。 「近藤さん、もっと庶民的な店の服で結構です!」 「私の傍にいる以上、半端な格好はさせられないよ」  士郎は秀実を前に、シャツを当てたり帽子を被せたりとご機嫌だ。 「シャツは白と水色、どっちがいいかなぁ。よし、両方買おう」 「スーツは無地とストライプ、どっちがいいかなぁ。よし、両方買おう」 「ネクタイはドットとチェック、どっちがいいかなぁ。よし、両方買おう」 「近藤さ~ん!」  秀実の悲鳴も、聞こえない。  何件も店を廻り、存分に買い物をし、士郎はようやくカフェで一息ついた。

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