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第四章・3
「近藤さん、どんな風に映ってるんだろ」
やだ。
何か、興味が湧いて来た。
「ちょっとだけ。最初の方だけ」
ディスクをパソコンにセットし、ドキドキしながら見守った。
明るい陽の射すカフェ。
士郎と、もう一人の俳優が和やかに語らっている。
カフェは、組の本店。
予算を削るために、こういう自前の場所をAVの現場ではよく使う。
軽やかなBGMの中、二人は幸せそうに見える。
「何か、ヤだな」
近藤さん、他の人にそんな笑顔を見せないで。
僕だけを見て、までも思わないにしろ、秀実の胸中は穏やかではなかった。
やがてBGMが消え、場所もベッドの上に移動した。
士郎と俳優は見つめ合い、やがて濃厚なキスを始めた。
わざと舌を見せながら、互いを貪るようなキス。
唾液の音が大きく拾ってあり、まるでその場に居合わせているような感覚に陥ってしまう。
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