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第四章・6

「近藤さん、近藤さん……!」  いつしか秀実の手は、また内股に伸びている。  手でまさぐり、その熱さを確かめてしまう。 「……士郎さん!」 「ただいまー!」 「うわぁ!」  まさに自慰に耽ろうとしたときに、そのネタである士郎が帰宅したのだ!  ばたばたとソファから起き上がり、秀実は何食わぬ顔で彼を出迎えた。 「お、お帰りなさい。近藤さん」 「撮影、早く終わってね。おみやげ、買ってきたぞ。アイスクリーム!」  士郎も一ヶ月の減量の成果が表れ、真田にお許しをいただいていた。  少しくらいの甘いものも、食べる余裕が生まれていた。  キッチンにアイスを納め、士郎はリビングへやって来た。  そこには、あたふたとDVDをケースに入れる秀実の姿が。 「あ! 観てくれたのか!? どうだった? どれを観た?」  ああ、間に合わなかった!  秀実は諦め、士郎に正直に申告した。 「あ、あの。『堕ちる蝶』、です」  ああ、あれね、と士郎はご機嫌でパッケージを眺めた。 「きれいに撮れてたかなぁ、ミチルくん。彼、今はテレビの仕事も来てるんだよ。深夜帯だけど」 「あまり長く見られなくって。き、キスのところまでしか」 「そう。感想、聞かせてくれる?」 「え!?」

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