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第五章・2
唇を合わせ、二人は互いの熱を測った。
熱い、秀実の唇。
士郎はその唇を、自分のリップで軽くつまんで放した。
そして、顔の距離を置いた。
「はい、終わり」
「え? ええっ?」
よしよし、と士郎は秀実の頭を撫でた。
「AV観て、興奮してヒートしちゃったんだな。ドラッグストアへ行こう。発情抑制剤を……」
「近藤さん、いえ、士郎さん! 僕、……僕!」
必死な秀実を、士郎はなだめた。
「秀実くんの気持ちは、すごく嬉しいよ。でも、身体に変調をきたしている時に行うべきことじゃない」
後悔することになるかも、しれないしね。
くしゃくしゃと髪をなぶる士郎の指先は、気づかないうちに、さらに秀実を欲情させていた。
「後悔なんて、するはずありません!」
秀実は、士郎に唇を押し付けた。
動画で観たような、激しいキス。
思い出しながら、士郎に施した。
「秀実、くん。秀実くん、ったら!」
「抱いてください!」
その叫びに、士郎の理性は飛んで弾けた。
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