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第五章・4

 ぱっぱと素裸になってしまった秀実が前を向くと、そこには上半身だけ服を脱いだ士郎がいた。 「早いなぁ」 「あの、ごめんなさい!」  いいさ、とそのまま士郎はベッドに上がると、キスをくれた。  それはゆっくりと丁寧で、あの動画とは全く違うものだった。  秀実のリップを食んで、舌先で軽く刷く。  咥内で踊る舌は、滑らかな動きで秀実を酔わせた。 「ん、ぁう。っふ、んぅ……」 「どうかな、私のキスは」 「……動画と全然違います」 「あれは演技だからね。今から君を、素で抱くよ。いいかい?」 「お願いします」  では、と士郎は秀実を横たえて、耳朶や首筋を弄り始めた。  時には、軽く。  時には、濃厚に。  変化に富む士郎の愛撫は、どんどん秀実を狂わせていった。 「あ、んあぁ! や、やぁッ! そ、そんな。あぁあ!」 「感度イイね。素敵だよ」  胸の乳首をこりこりと噛んでいた士郎は、彼の手を取りそのペニスへいざなった。 「自分で、擦ってごらん。気持ち悦いから」 「は、恥ずかしいです」  秀実のものは、すでに硬く勃ち上がり、先端から蜜をこぼしている。  士郎は片手でローションを落とし、秀実を愛し始めた。

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