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第六章・2
(妊娠の可能性が、あるな)
ナカに出してあげたいのは山々だが、それだけは避けなくてはならない。
「士郎さん!」
名を呼ばれ、士郎は我に返った。
泣きじゃくり、自分の名を呼んでくる秀実から、さらに濃厚なフェロモンが立ち昇る。
脳が、蕩けそうだ。
四肢が、いうことをきかない。
「お願い! 僕に、僕の中に、出してくださいぃ!」
秀実の体内が、大きく蠕動した。
甘く蠢き、蕾が締り、こらえがたい悦楽と興奮を士郎にもたらして来る。
(ダメ、だ。抗えない……ッ!)
自らも獣のような呼吸をしながら、士郎は秀実に向かって叫んでいた。
「赤ちゃんできたら、すまない!」
そして、一気に解き放った。
「あぁあ! 士郎、さ、んッ! あ、あぁ。はぁ、あぁあ!」
熱い士郎の精が、秀実の中へ注ぎ込まれてゆく。
大量の精が、長い時間かけて秀実に渡された。
その間、二人はしっかりと抱き合い、身体を一つに溶け合わせていた。
細かく震える士郎の腰に、秀実は骨を軋ませた。
離れるのが切なくなるほど、その身を互いに慈しんだ。
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