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第七章・3
シャワーを浴び、士郎の背中を流し、秀実もシャボンを使ってバスタブへ入った。
向かい合わせに座り、緊張している秀実と、くつろいだ息を吐く士郎。
(まさか、お風呂エッチなんかしないよね)
(さて、何から伝えればいいのか)
くつろいでいるのは体だけで、士郎の頭の中は渦を巻いていた。
(考え込んでたら、湯あたりするな。順を追っていくか)
士郎は秀実の肩に湯をかけながら、ひとつひとつ話していった。
「手紙、読んでくれた?」
「はい」
「付き人はやめて、恋人になってくれる?」
「……いいんですか、僕なんかで」
君だから、いいんだよ。
そう言って士郎は、秀実の手を握った。
「昨夜、君も言ってくれたよね」
『僕は、士郎さんが好きなんです。ヤクザとか堅気とか、関係なくって。士郎さんだから、好きになったんです』
秀実の頬が赤くなったのは、湯気のせいだけではないだろう。
「嬉しかったな」
「そ、そうですか」
「赤ちゃんできてたら、私が父親、ということでいい?」
「喜んで」
そこまで終えて、士郎は大きく息をついた。
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