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第八章・6

「はい、次はフェラね。秀実くん、大丈夫?」 「やってみます」  秀実は士郎のビキニの横からペニスを掴み出し、ぺろぺろと舐め始めた。 「もっと、もっとだ!」  監督の声に、秀実はまるで味わうかのように士郎のものを舐めまわし始めた。  舌を大きく出し、ゆっくりとじっくりと舐める、しゃぶる、吸う。 「もっと濡らして! どこ濡らすか、解る? 目だよ! 目を濡らして!」  言われなくても、秀実の目はどんどんうっとりと潤んでいく。  士郎さん。  士郎さん、今どんな気持ちかな?  気持ち悦い、って感じてくれてるかなぁ?  秀実、巧いぞ。  本当に、フェラ上手になったな。  一生懸命、練習したもんな。  士郎のペニスは、硬く逞しく勃ちあがった。 「カット!」  場面を細かく区切っても、場の空気は張り詰めたままだ。  スタッフはみんな、いい画を撮ろうと目をギラギラさせている。 (すごい。現場の緊張感って、こんなに熱いんだ)  AVとはいえ、秀実は撮影の仕事にどんどんのめり込んでいった。  いい作品を残したいと、真剣になった。 「秀実、肩の力抜いて」 「士郎さん」 「後はね、私たち二人の息がぴったり合っていれば、済むことだから」 「はい」  秀実は、芝生に敷かれたバスタオルに横になった。  いよいよ、本番が始まるのだ。

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