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第九章・4
騎乗位では、接合部がバックからこれ以上ないくらいのアップで映された。
カメラの気配をお尻に感じ、秀実はぞくりとした。
(こ、こんなトコまで、観られるんだ)
でも、もう止められない。
止まらない。
(士郎さん)
彼を見ると、すっかり具合の良さそうな顔をして、秀実に身体を委ねている。
(何か、余裕だな)
やっぱり彼は、百戦錬磨の強者なんだ。
(いろんな人と、エッチの撮影したんだろうな)
例えば、ミチルさんとか。
そう思った途端、体の奥から熱いものが込み上げて来た。
「ッん、あぁ……ッ」
思わず声を上げた後、監督がカメラを止めた。
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