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第十一章 二人の不安

 もうもうと湯気の立つバスルームに、秀実は素裸に手錠をかけられ監禁された。  目の前には、上半身だけ脱いで刺青を誇示してくる士郎が。 「助けて、誰か!」 「ククク……。助けを呼んでも、誰も来ないぞ」  身をひるがえして逃げようとした秀実だったが、易々と腕を掴まれてしまった。  怯える秀実に、士郎は非情な言葉を掛けた。 「今から、君を犯す」 「ひっ」 「その前に、ご奉仕してもらおうか。たっぷりとな」 「い、イヤです!」  顔を背ける秀実だったが、その口に士郎はペニスをねじ込んだ。 「う、ぐぅッ!」 「さあ、よ~くしゃぶるんだ」 「う、うぅ……」  う。 「うふ、ふふふ」 「くっ、ははは」  とうとう二人は、笑い出してしまった。 「あぁ、ダメだ。こんな三文芝居、人には到底みせられないな!」 「士郎さん、凌辱ものには向いてないんですね」  いや、と秀実の手錠を外しながら、士郎は首を横に振った。

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