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第十一章・3

 じゃあ、と士郎はゆっくり腰を使い始めた。 「っく! んう、う!」  喉の奥の奥まで突かれ、秀実は少しむせた。  それでも、舌を動かすことをやめない。  恋人を悦ばせようと必死に奉仕する姿に、士郎は早々に限界を感じた。 「秀実。秀実、顔、離して」 「っはぁ!」 「出すよ、いい?」 「士郎さん」  うっとりと瞼を閉じた秀実に、士郎は射精した。  白い体液が、べっとりときれいな顔を汚してゆく。 「あぁ……、士郎さん……」  長い睫毛を震わせ、秀実は恍惚に浸った。  舌を出し、精を舐めとり、ふるっと震えた。 「あ、あぁ。あぁあ……ッ!」  秀実もまた、タイルの上に精を吐いてしまった。 「顔射で感じてイッてくれるなんて、男冥利に尽きるな」 「はぁ……、すごく……、悦かった、です……」  満足げな、秀実の表情だった。

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