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第十二章・5

 簡単な自己紹介が終わり、次は質問コーナーだ。  数枚のフリップと、黒のマジックペンを渡された秀実は、これから出される質問に答えていく。 「では、第一問! あなたのアナルに挿入るサイズのものを描いてください!」 「ええっ!?」  隣のゲスト俳優は、驚くこともなくさらさらとペンを走らせている。 (え、えと。あの。士郎さんのサイズでいいのかな?)  秀実はよろめく線で、かなり簡略化されたペニスの絵を描いた。 「では、一斉に見せていただきましょう!」  どん、と開いたフリップには、バナナや山芋の絵が書かれている。  ひときわ稚拙な秀実の絵は、スタジオを笑いの渦に巻き込んだ。 「秀実くん、かなりビッグサイズですが、それは何の絵でしょうかぁ?」 「いや、これは、その!」  赤くなる秀実に、さらに笑いが起きる。 (うわぁん、士郎さん! 恥ずかしいよぅ!)  秀実はさらに、野球拳でも惨敗した。  順調に負け進み、ふんどし姿をさらすこととなった。 「秀実くん、似合ってるよ!」 「もう、勘弁してください!」  まさか、初めてのテレビ出演が恥っかきのオンパレードになるなんて!  秀実は始めから終わりまで、耳を真っ赤にしていた。

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