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第十六章 欲しいもの

「士郎さん、電話鳴ってます」 「放っておこう」 「でもっ、お仕事関係だったら……っ」 「もう0時過ぎだぞ?」  秀実は、とうとう降参した。 「あ、はぁ、あぁんッ! そこ、ダメぇえ! も、ヤだ。んぁ、あぁあ!」 「秀実は、ココが好きだもんな」  士郎が意地悪く秀実の体内を擦っていると、急に中が大きくうねった。  緩急をつけて収縮し、士郎のペニスを締め付けた。 「あ、秀実。それは反則!」  勢いよく、士郎は秀実の体内に精を放った。 「んんぁあ! はぁ、あ、っく。あぁああ!」  どくりどくりと注がれる熱い精に、秀実は身体を震わせて快感を貪った。 「んんぅ……、士郎さん……」 「それにしても、無粋な電話だ」  この後は、二人で甘いピロートークでも楽しみたいところなのに、しつこい電話は鳴りやまない。 「秀実、抜くぞ」 「は、い……」  士郎はそっと秀実から離れ、ベッドサイドの携帯を手に取った。 「組の者なら、叱ってやる」  プチ不機嫌な士郎だったが、発信者を見て目を円くした。 「ミチルくん?」  その名を聞いて、秀実は瞬時に緊張した。  なぜ、ミチルさんが。  しかも、こんな夜中に。  

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