(まさか、こんなこと、されるなんて) 柚木はひたすら堪えていた。 「う、ぅ、ぅ、う……ッ」 先週の比良のように自分の手を噛んで、必死になって痛みで誤魔化そうとした。 足元にずり落ちたジャージ下と下着。 外気に曝け出された下半身。 比良は未だに真後ろにいた。 下肢の服をずり下ろし、屹立する熱源を柚木の太腿の間に割り込ませ、厚い腰を前後させていた。 (こんな……えっちなこと、させられるなんて……) 意識しないようにしたいけど、むりだ。 だって比良くんの、すごい。 オメガのおれとは比べ物にならない……。 アルファって、こんなにも、ご立派なんですね……。 いわゆる素股プレイの餌食になった柚木は息苦しそうに鼻孔で息をした。 「ふ……っ……ぅ……」 オメガ性の男体には男女両方の生殖器が備わっている。 どちらも機能してはいるが、男性としての生殖能力は極めて低い。 女性の外性器・内性器もその身に擁し、こどもを身籠る上での生殖能力の方が上回る、いずれ初潮を迎えれば妊娠が可能になる体だった。 (擦れて、やばい) この上なく初心、お付き合い経験ゼロの柚木は困り果てる。 純潔極まりない自分の性器にぬるぬる擦れるアルファのペニス。 何ともヤラシイ摩擦感に下半身が勝手に火照る。 発情期にある比良が今までで一番興奮しており、その性フェロモンをもろに浴びて、眩暈がした。 (なんだこれ、こんなの知らない) 我慢しろ、堪えろ……。 おれまで感じちゃだめだ……。 比良くんに顔向けできなくなる……。 「濡れてる」 ふにゃふにゃになりそうだった柚木は首を左右にブンブン振った。 「うそつくな」 比良は腰の動きを休めずに、目の前にあった首筋を大胆な舌遣いで舐め上げ、耳たぶにかじりついた。 「ぅぅぅっ」 「……気持ちいいくせに」 控え目な反応を示す柚木の熱源。 双球の付け根にはクリトリスが芽吹いている。 双球と後孔の間にある柔らかな亀裂からは蜜が溢れ出、比良のペニスを確かに濡らしていた。 「こんな音まで立てて。淫乱オメガ」 (い・ん・ら・ん！？)