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強張る指に長い指を恋人のように絡め、我が身を触らせる。 くっきりと段差のついた括れや膨れ上がった頂き、怒張する棹を無理やり愛撫させた。 「ぅ……ぅ……」 「このまま射精させろ」 「うぇぇ……だって、制服……」 「だから。四の五の言うな」 手の中でどんどん硬くなっていくアルファのペニス。 比良を跨ぎ、かろうじて爪先が床に届いている柚木は、萎みかけていた決意を新たにする。 (しゃっ……せい、させれば<比良くん>は戻ってくる) いずれ昼休みだって終わるし、それにいつ誰が来るかわかったもんじゃない。 (確かに四の五の言っていられない……) 比良が外気に取り出した熱源。 その造形の豊かさに圧倒されながらも柚木は頑張って手を動かす。 二人の狭間でおっかなびっくり上下に撫で擦った。 「へたくそ」 「っ……慣れてないんだよ、仕方ないだろ!」 安定しない姿勢でグラグラしていたら尻たぶの片方をぐっと掴まれた。 「おっ……おけつ掴むなぁ……」 「マスターベーションはアッチでやるんだな、お前」 「っ……アッチ……? あ……!」 そもそも。 発情期を抑えつける抑制剤を接種しているため、一般的にアルファとオメガの性欲は低下傾向にある。 初経はまだ、精通はしているが性的欲求に疎い柚木もマスターベーションの経験すら極めて少なかった。 「別に、そういうわけじゃあ……」 「もっと強く」 「っ……強くしたら痛くない?」 「もっと、早く」 柚木は目を潤ませた。 言われた通りに利き手を動かす。 「もっと」 低く唸る比良の雄めく声に理性が麻痺していく。 暗闇の中、その首筋についつい顔を埋めるほどに。 (……いい匂い……) こんなの知らなかった。 一生知らないままでいると思ってた。 (おれにも性欲ってあったんだ) 未熟な手による精一杯の愛撫に、首筋に頬擦りしてきた柚木に、比良の赤い目はさらなる興奮に魘された。 曲線に乏しい尻丘を両手で鷲掴みにする。 五指を食い込ませて制服ズボンに深い皺を刻んだ。 「……あ……」 掌に放たれた白濁。 柚木は思わず嘆息する。 マストの絶頂に心身を揺さぶられ、逆上せたみたいに頭に霞がかかった。 (おれまでマストくんにつられて気持ちよくなってる……?) 縋りついた首筋から比良の匂いを鼻孔いっぱいに嗅いで、益々ぼんやりして、頑丈なお膝の上でお行儀よくしていたら。 「……、……」 「……」 視聴覚室の外で何やら人の気配がした。 直ちに我に返って凍りついていた矢先に、無情にも、ガチャリと扉の開かれる音が。 (いっ……いやーーーーーー!!!!)

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