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すりガラスで窓の外から見られる心配はないが、視聴覚室の扉を開けられたら即アウトだった。
「あ、ぅ……」
セーターを脱いでいた比良が片手を添え、一纏めにされて共にしごかれると、甘い戦慄に背筋を巣食われた。
アルファの雫に濡らされていく無垢な熱源。
長テーブルの上で卑猥に擦れ合う感覚に柚木はもどかしそうに胸を反らした。
「や……ぁ……」
「俺のと擦れて感じるか」
「ぅぅ……っ……か……感じてな……っ」
<別格のアルファ>の発情期にへっぽこオメガは押し流されてしまう。
興奮している彼から惜しみなく放たれる性フェロモンを真っ向から浴び、快感を共有してしまう……。
「ぁ」
柚木の目の前で比良は再び達した。
膨れ育った頂きの割れ目から白濁が次から次に零れ、重なり合うペニスまで白くねっとり染め上げた。
「ぁ、ぁ、だめ、待っ……」
比良は濃厚な白濁を絡めて愛撫をしつこく続けた。
主に先端をとろとろにされた柚木は、限られたスペースの上で危なっかしげに身悶える。
上擦る吐息を連ね、比良と卑猥に縺れ合う我が身を薄目がちに見、下腹部を一段と火照らせた。
「い……いっちゃ……っ」
成す術もなく射精した。
昨日に引き続き、免疫のない恍惚感に抵抗の余地なく平伏した。
(……次からどうなるんだ、マストくんに一体何されちゃうんだ、おれ……)
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