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放課後の空き教室で柚木は零れそうになる声を一生懸命我慢していた。 「ぅ、っ、ぅ、ぅ……」 体育祭や文化祭で使用するパネルや装飾品が保管された、倉庫と化しているスペースの一角。 閉め切ったドアのすぐ横、蛍光灯のスイッチが設置された廊下側の壁に縋りつき、自分の手首をひたすら噛んでいた。 足元に投げ捨てられた二つのスクールバッグ。 西日を受け止めてオレンジに透ける白いカーテン。 「こんな、奥まで……だめだって……」 ベストを着用している柚木は額に汗を滲ませ、すぐ真後ろに迫るマストの比良に言う。 「もうちょっと……抜いて……」 ズボンは足首に絡まり、膝上まで下着をずり下ろされたオメガ男子に発情中のアルファは言う。 「今、何か言ったか」 柔らかな亀裂を割って蜜穴(みつあな)に捻じ込んでいた中指を、さらに、ナカへ。 愛液で温もる密な内側を意地悪に貫いた。 「ぅ~~……っっ……!」 「お前の、洪水みたいに溢れてくる」 「っ……っ……っ……!」 「俺の指、もうびしょ濡れだ」 柚木は涙の膜が張った目を見開かせる。 (比良くんの声でヤラシイこと言われて変になりそうだ) ううん、もう変になってる……。 おれの中でバグが発生してる……。 「や……っ」 端整な指を出し()れされて柚木は嬌声を洩らした。 「いったのかよ」 「い……いってな……」 ピクピクと震える無垢なペニスの下に差し込まれた比良の利き手。 嗜虐的に蠢き、また蜜穴に意地悪されると、薄汚れた壁と彼の間で堪らなさそうに仰け反った。 「お前のココ、もうすっかり俺に懐いた」

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