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「おうちのリビングで……こんなこと……を……するのは……基本……だめなのでは……」 雨音の止まない正午過ぎ。 柚木はリビングのソファの上にいた。 「そもそも……雨、ひどいし……比良くんのお母さんとお父さん、大変なのに……」 「……」 「しかも……こんなの……どしたらいいのか……」 正確に言うならばソファに横たわる比良の上にいた。 「ごめん、柚木」 首の据わっていない赤ちゃんみたいに頭をグラグラさせながら柚木は彼を見下ろす。 「止められない」 「そ、それなら……始めなきゃよかったのにぃ……」 まさかリビングで始められるなんて。 てっきり比良の部屋に移動するのかと思っていたら、そのままソファへ導かれ、さすがに拒否を試みたが、やんわり拒否を拒否されて、別格のアルファのなすがままに……。 「今すぐ始めたくて堪らなかった」 比良の腹に両手を突いていた柚木は骨張る五指をきゅっと丸めた。 最初は自分が仰向けの姿勢をとっていた。 それが途中で比良に抱き起こされ、彼は仰向けになって、まさかまさかの騎乗位へ。 「……柚木、震えてる」 腰を落とし切るのが怖くて、ずっと踏ん張っていた柚木は四肢のプルプルに気づかれて眉を八の字にした。 「だって、こんなの怖い、く、串刺しにされるみたい」 「……串刺し」 「まだお母さんにメールしてないし、それに、やっぱり……いろいろ心配で……いいのかなって……」 「……メールはもう少し待ってくれ」 別格のアルファが触れれば条件反射で潤う蜜穴。 滾るペニスを迎え入れて目覚めさせられる胎底。 太腿に両手が添えられ、真下から緩々と抜き()しされて、ノーパンを余儀なくされた柚木は比良のサマーニットを握り締めた。 下肢の着衣をずり下ろした程度で服を着たままの比良は、理性と恍惚の狭間で葛藤している彼パジャマ姿のオメガに(こいねが)う。 「俺のことだけ感じてくれ」 「っ……で……でも……っ」 「……素っ気ないな、柚木は」 「へぁ……っ……? それ、どーいう……?」 「恋人同士なのに素っ気ない」 「だ……だから、……っ……ぁ……あぅ……」 「ほらな……違うことに気を取られてる」 持て余し気味の裾から覗く太腿にさらに五指を食い込ませ、ザラつく膣壁に強めに頂きを擦り当てた。 「ふにゃぁ……っ」 比良は甘い声で鳴いた柚木を愛しげに物欲しげに見つめる。 微かに濡れた端整な唇で止め処なく溢れてくる独占欲を綴った。 「もっと俺に甘えて。俺のことほしがってみて……?」 (これ、比良くんが甘えたモードなのでは……?)

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