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「んっ、んっ、ぅっ、ぅっ……ン……ン」 厚く頑丈な腰が押しつけられては離れ、また勢いよく押しつけられ、蜜穴奥をしっかり突かれるようになる。 番のアルファの律動が激しさを増していくにつれて柚木は眞栖人の親指に無心で縋りつく。 唯一の拠り所として、真っ白になった頭で、がむしゃらに吸いついた。 「ふーーー……っ……ふーーー……っ」 眞栖人は柚木の好きにさせてやる。 ベッドの上、相も変わらず別格のアルファ双子に挟み込まれていたオメガ。 兄になされるがまま揺さぶられている上体を足の間に受け止め、バックハグの姿勢で支えていた弟は、上書きされる噛み痕を甘んじて受け入れた。 「ッ……」 全身を火照らせ、解けた表情で感じきっている柚木に比良は物欲しげに喉を鳴らす。 我が身を包み込んで蠕動する蜜壺、突く度にピクピクと振り乱れる小振りのペニス、胸の突端で膨れ勃つ突起、睫毛の先まで、とにかく柚木のすべてが愛しくて欲しくて堪らなくなった。 折り曲げた膝をぐっと掴み、さらに開脚させたところで固定し、密着を深める。 狭まり合う内壁の中心で反り返る肉杭をぞんざいに動かした。 「ん、ん、ンッ、ンンッ……!」 最奥を小突かれた柚木は圧倒的恍惚に平伏す。 口内に浸かる眞栖人の指に思いきり噛みつき、その腕に爪を立て、大きく身震いした。 「ッ……柚木……」 怖気づいていた本人の意志とは裏腹に、度重なる絶頂に歓喜するオメガの蜜壺。 ぎちぎちと締まり、ペニス全体を手厚く搾り込まれて、比良は荒々しげに吐息を吐き散らす。 抑えきれなかった。 番のオメガにそのまま注ぎ込んだ。 蜜穴奥にアルファの熱流を叩きつけた……。 「あっ……あんっ……ふぁっ……あん……っ」 (この間の抜けた声って……ああ……おれかぁ……) 比良くんに……射精()された。 なんか……いっぱい……。 びっくりして、異常なくらい体中熱くなって、意識がふわふわ飛んでった……。 (それこそ蝶々みたいに) あれ、でもなんか……なんだろ……? さっきと違う……? 「はぁ……」 耳たぶを掠めていった、ため息。 意識が朦朧として薄目がちだった柚木は忙しげに瞬きする。 「……柚木……」 名前を呼ばれて全開になった奥二重まなこ。 今、自分を抱いている彼を目の当たりにして一気に覚醒した。 「眞栖人くん」

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