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(眞栖人くん、さっき、どんな風にしてたっけ?)
彼のやり方を思い出し、一生懸命、真似てみる。
ビクつく舌先で輪郭をなぞり、自分が感じるポイントにキスを落としていく。
「ふ……」
思いきり口を開いて唇の内側へ招き入れた。
熱く、硬く、立派な雄の象徴を口内で包み込んで、それはそれは甲斐甲斐しく温めた。
「本当に無理するなよ、柚木」
眞栖人に頭を撫でられて柚木の奥二重まなこは見る間に潤んだ。
髪を梳く五指に心臓が蕩けそうになった。
「ん……ン……ン……」
次第に大胆になっていく。
口内で彼のペニスがより熱くなってくると、感じてくれているのだと素直に嬉しくなり、チラリと眞栖人の顔に視線を向けてみた。
「……何だよ」
「ん……眞栖人くん、気持ちいい……?」
初めてのご奉仕。
お世辞にも上手とは言えない、しかし精一杯励んでくれている、しかも自分が好きで好きで止まない柚木が。
「気持ちいいに決まってるだろ」
頭を撫でながらの褒め言葉に柚木の体は隅から隅までキュンキュンときめいた。
凛々しい顔が浮かべた少し苦しげな笑みに愛情が止め処なく溢れ出してくる。
が、しかし。
「あれっ?」
いきなりガバリとベッドに押し倒され、中途半端なところでご奉仕を中断させられて呆気にとられた。
「挿入 れる」
「えっ? はぃぃっ? なんで! 最後までちゃんとシたいのに!」
「それは次の機会にとっておく」
「やだやだやだやだっ……っ……やだってば、ぁ……んんん……っ」
ご奉仕の続行を望んで嫌がる柚木に、手早く服を脱いだ眞栖人は、捻じ込んだ。
すでにとろりと熟れていたオメガの蜜穴にアルファのペニスを。
愛液で満遍なく滑るナカはいつにもまして滾る熱源を難なく迎え入れる。
収縮する内壁を擦り上げられ、奥まで拡げられ、恋しいアルファの訪問を蜜壺は純粋に悦んだ。
「なん、で……ちゃんとシたかったのに、ぃ……っ」
逆に柚木自身はご機嫌を損ねていた。
自分に覆い被さる眞栖人を涙目で睨み、広い肩をポカポカ叩いた。
「本番中にポカポカするなよ、柚木……」
「お、おれ……下手だった……?」
「……」
「お世辞で……言った? ほんとは気持ちよくなかった……?」
睨んでいたはずが、眉を八の字にして、今にも泣き出しそうな顔で見つめてきた柚木に眞栖人も眉根を寄せた。
「心底よかった」
「じゃあ、なんで止めたんだよぉ……」
「今すぐにお前のこと欲しくて堪らなくなったんだよ」
「ふぇぇ……」
「我慢できなくなった……余裕ゼロだ」
グチュ、グチュ、蜜穴内で反り勃つペニスを最奥に押しつけられて柚木はぶわりと涙した。
「そこ……らめ……」
ネルシャツの袖をぐっと噛む。
健気な仕草に眞栖人は釘付けになる。
「本当……堪らないな、お前……」
下肢同士をぴたりと密着させ、ゆっくり、しっかり、窮屈な最奥を連打した。
「ぁっ、あんっ……ゃぁ……っ」
「お前の何もかも、全部、気持ちいい……」
「っ……眞栖人くん……おれも、きもちい……っ……ん……ぷ……」
眞栖人は柚木にキスした。
未だにたどたどしい手つきで初心オメガが肩に腕を回してくると、ひっそりと笑い、深く深く口づけた。
「ん、ん、ン……っ……んん……む……」
擦り寄ってきた舌に舌を絡め取られ、ふんだんに縺れ合い、柚木は呻吟する。
キスされながら小刻みに突かれると、力一杯、眞栖人にしがみついた。
「もっと、柚木」
彼に真摯に欲しがられて胸の奥が焦げついた。
恋しくて恋しくて堪らないアルファに、形振り構わず、身も心も捧げたくなった。
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