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1-4
「眞栖人よりも……?」
柚木は……それには答えられなかった。
「柚木」
「お、おれは二人のことが好き……どっちも同じくらい……比べられない……」
「強いて言うなら?」
「強いて言うならパターンなんてなぃぃ……」
陶然と感じながらも、そこだけは頑として譲らない柚木を比良は穴が空くほどにじっと見つめた。
「柚木の意地悪」
嫉妬の炎を点した黒曜石にへっぽこオメガの胸はぎゅっと押し潰された。
ただでさえ過激なグリグリ攻めが、さらに粘着さを増し、腰を浮かし気味に掴まれて蜜穴最奥をしつこくズンズンされると、エビ反りになって感極まった。
「いっ……いっひゃ……」
わかりやすく肢体を張り詰めさせて柚木は達した。
別格のアルファが与える圧倒的恍惚に平伏し、射精を伴わない絶頂に突き落とされた。
容赦なく締まったナカに比良はうっすらと笑みを零す。
眼下でビクビクと微痙攣する柚木にうっとり見惚れた。
「はぁっ……は……っ……っ、はぃぃ……!?」
長引く絶頂に喘いでいた柚木はぎょっとする。
体の向きをぐるりと変えられ、四つん這いにされたかと思えば、今度は後ろからグリグリされて目をヒン剥かせた。
「ぇぇっ、ぁっ、ちょっ、待っ、ぁっ、ぁっ」
驚く暇もなしに突かれる。
リズミカルな律動に合わせて声を上げる他なく、柚木はピンク色のシーツを引っ掴んだ。
「こ、これ、はずかし、ぃ、あんっ、あっ、ふぁっ」
「恥ずかしい割には、柚木、すごく感じてるみたいだ」
「ひぃぃん……」
突く度に小さなお尻をブルブルさせて軽い絶頂を繰り返している柚木に比良は提案する。
「今日は色んな体位でしてみようか」
「はっ……はぃぃっ……?」
「どの体位が一番気持ちいいか、柚木が感じるのか、試してみたい」
お尻の穴まで丸見えになって恥ずかしいのに恍惚感は増していくばかりで。
比良による体位開発宣言にへっぽこオメガはゾクリと身震いした……。
「う、う、うそでしょっ、落ちるっ、落ちちゃうっ」
「柚木、ちゃんと俺にしがみついて……」
「ひ、ぃ、ん……っっ……こんなん、らめ……っっ」
まさかの駅弁プレイ。
逃げ場のない空中で蜜穴をたっぷり貫かれ、均整のとれた逞しい体に抱きつき、柚木は連続絶頂に。
「た……立てなぃ、もぉ、むりっ、っ、んっ、んっ……!」
壁に両手を突かされた立ちバック。
恥部に密着した厚腰が円を描くように大きく動き、柚木は小鹿みたいに両足をブルブルさせ、凹凸の浅い喉を反らした。
「これだとキスしやすいな……?」
「んっ、んっ、んぷ、ぅ……っ……ふ、ぁ……っ」
密着度が深まる対面座位。
ベッドの上、お尻を掴まれて揺さぶられながらキスされて、唇奥も蜜穴も同時に献身的に掻き回され、柚木は何度も虚脱しかけた。
「柚木、どの体位がいい? どれが気持ちいい……?」
疲れ知らずの別格アルファに三時間余すことなく溺愛された。
五分休みたいと言っても一切聞き入れてもらえず、どっちが意地悪なんだと心の中でこっそり叫ぶ、ヘトヘトへっぽこオメガなのだった。
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