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Chapter 10―1
(R-18)
本来ならネズミと疑われた時点で、すぐに撤退しなければならない。しかし、村上武智は己の膝に股がり、毒々しいほどの色香を放つその人に囚われていた。
抱きたい―――と、それしか考えられない。
「ふ、ぅんっ―――」
オイルを付けた武智の3本の指が、ヌプヌプと椿山ヒカルの秘部を犯す。中は柔らかく解けており、抵抗は少しもない。
社長とした後だからか―――と気付いてしまえば、どうしようもなく苛立つ。
不快さを抑えきれず、バスローブがはたけ露になっている真っ白な肩に、武智はガブリと歯を立てた。
「いっ、たぁ、もっ、」
ヒカルが痛みに呻き体を震わせ、武智の指をぎゅうっと締め付ける。その反応に少しだけ征服欲のようなものが満たされた。
武智が噛むのを止めて顔を上げると、ヒカルにギロリと睨まれる。
「何で、いつも噛むっ―――ぅんっ、」
ヒカルの後頭部に手を差し入れて、文句を言い始めた薄い唇を、武智は少々乱暴に塞いだ。間髪いれず口内に舌をねじ込むものの、ヒカルから非難の声は上がらなかった。
同時に、溶けきった中にある武智の指を動かすと、ヒカルが鼻にかかった甘い声を漏らす。
「んん、ふぅ、んっ、ぅんっ―――」
苦しかったのかヒカルが首を振り始めたので、武智は素直に舌を解放した。
「はっ―――、ねぇ、入れてっ。ゆびじゃなくてっ、これ、入れて。はやくっ、」
武智の硬くなった雄を撫でながら、ヒカルが恥ずかしさの欠片も見せずに言う。
堪らない。
こうも全身で欲しがられると、まるで愛されているようだ。勘違いだ。分かっている。誤解などしない。
でも、僅かにでも好意があれば、どれだけ満たされる事だろうか。
そんな事を考えてしまう。
―――バカか。
男を欲する貪欲で淫らなヒカルの秘部へ、望まれるまま武智は雄を差し出した。
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