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Chapter 16―1

体を這い回る手が気持ち悪い。 床についた膝が痛い。 ソファの表面の砂ぼこりが顔に付く。 村上武智は下半身が剥き出しで、浅田に尻を差し出すように膝立ちさせられている。 ―――有り得ない。 有り得ないが、これは現実だ。 しかも、自業自得であるのだから、誰のせいにもできない。 今の状況の全てが吐き気がするほど不快だったが、武智は声ひとつ上げず、ひたすら無反応を貫いていた。 「面白くない。」 「うっ!」 バシッ―――と、浅田に尻を叩かれて、武智は痛みに呻いた。思わず声を上げると、浅田が満足げに笑う。 「―――くっ、ぅっ」 後ろから伸びてきた浅田の手に、ギリッと取れそうなほど胸の突起を捻られた。武智は逃げようと体を捻るが、もちろん浅田が逃がす筈もない。 「ぐ、うぁっ!」 武智の呻く声が響く。反応していない雄を、浅田が潰す勢いで握ってきたのだ。 痛みに悶えながら、どうやら対応を間違えたらしい―――と、遅まきに悟る。 「いい声だ。」 浅田は愉快そうに言いながら、武智の雄を手放した。ほっと気を抜いた瞬間、武智の秘部に浅田が太い指を突き入れた。 「ぅあっ―――」 中の乾いた皮膚がひきつる。武智に経験がないからだろうか。とにかく痛い。 「キツいな。」 そう言うと浅田に指を引き抜かれて、ぜぇと武智は止めていた息を吐き出した。これだけで息も絶え絶えだ。 最後までもつ気がしない。 そうしていると、すぐにまた浅田の指が戻ってきたが、今度はスルリと抵抗なく入る。潤滑剤的なものを使ったようだ。 「ぅっ―――」 内壁を撫でられる感覚に、ぞわっと鳥肌が立つ。慣れる間もなく、中に指が増やされた。圧迫感に息を詰まる。 「くっ、ぅ―――っ?」 急に腹の中に火が灯されたように、カッと熱くなった。 「効いてきたか?」 「ぁっ、なにを―――、」 尋ねなくても、尻の中に入れられた物が何か、想像できてしまう。最悪だ。 「薬。麻薬だな。腸内から吸収すると、効きが早い。」 ぐちぐちと武智の胎内を弄りながら、浅田が律儀に説明する。思った通り、薬物らしい。 本当に最悪だ。

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