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Chapter 17―1
(R-18)
腕を拘束していた縄から解放され、村上武智はフラフラと頭を揺らした。
頭がぼんやりとする。
夢の中にいるように現実味が薄いのに、体は異常に熱い。
「村上さん?」
ポンポンと肩を叩かれて、体が跳ねた。顔を上げる途中で、椿山ヒカルの左手が目に入る。
布で軽く止血はしてあるが、出血量から考えると、縫わねばならぬほどだろう。
「ヒカルさん、怪我―――」
「大した事ない。それより、クスリ盛られたのか?」
「はい、すみ、ません。」
いつものヒカルの話し方と違い、戸惑う。
今のヒカルからはずっと身にまとっていた毒のような色香は感じられず、とても男性的だった。
―――今までが嘘か?
問い質したいところだが、武智は今話どころではなく、すぐにでも爆発しそうな熱に追いつめられている。
天井を向いた武智の雄を見下ろして、ヒカルはため息を吐くと、目線を合わせるように膝を折った。ギョッとなる。
至近距離から好きな人に雄を見られて、かなり焦った。隠したいのだが、体どころか手すら自由に動かない。
「大人しくしてるように言われなかったのか?危うく掘られそうになって。」
ヒカルは叱るように言うと、武智の体を抱えるように立たせ、ソファに座らせた。足腰に力が入らず、武智の体が背もたれに沈む。
下半身丸出しの上、みっともなく起たせているのを、自ら晒している間抜けな姿だ。
さすがに羞恥はある。
しかも、投げ出した武智の脚の間に、ヒカルがしゃがんで膝を床に付いた。
「ひ、ひかるさん、―――うぁっ!?」
武智の雄をヒカルの手に握られ、悲鳴が出る。
少し痛い。
「口でしてやる。気持ちよくなっとけ。」
ヒカルはそう言うと、躊躇なく武智の雄に顔を寄せた。温かな口内に先端が包まれて、じんっと下半身が痺れる。
武智は危うく出そうになった喘ぎ声を、寸でのところで噛み殺した。
「んっ―――んっ、」
鼻にかかった声を出しながら、ヒカルが口で奉仕を始めた。成長しきった武智の雄に、ヒカルが必死に舌を絡ませ、じゅっじゅっと卑猥な水音を工場内に響かせる。
気持ちよすぎて頭が破裂しそうだ。
―――もうヤバイ。
苦しいのか目が潤んでいるし、眉は切なげに寄せられ、ヒカルの表情はまるで情事の時のようだ。
視覚からも追い詰められる。
「はっ―――、ひかるさん、もっ、いきそっ」
「らせ、」
出せ―――と、言ったのだろう。
武智がイきそうなのを我慢すれば、体がブルブルと震えた。その様子を見て、ヒカルが面白そうに目で笑う。
次の瞬間、じゅっと強く吸われて、堪らずに武智は欲望を吐き出した。
「―――ぅっ!!」
目も眩む気持ちよさに、噛み殺せなかった声が出る。ヒカルはたいそう不快そうだ。
―――それにしても、困った。
欲望を解放しても萎えそうにない自分の雄に、武智は気が遠くなった。
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