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終章

 終章  白の白の白の世界。真っ白の世界の中で、紅く染まった両手だけが異質だった。呆然とそれを眺めていると、後ろに誰かが立った。するりと、その誰かがオレの首筋を触れた。そして、その手がぎゅっとオレの体を抱きしめる。強く強く、絞め殺そうとしているかのように強く、力が込められた。  その手は、オレと同じように赤く紅く、色づいていた。

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