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第7話

「このままお相手への術の一部始終、見て行かれますか?それとも扉の外でお待ちになられますか?」 フードの男がスーラが横たわっている台から名残惜しそうに、それでもようやく離れたラントアに尋ねてきた。 「スーラを一人残して行くには…」 チラとフードの男達を見る。 この城の中に在って、その存在を秘されし者達。 信じるに値するのだろうか? そんなラントアの気持ちを察するようにガルーが口を開いた。 「俺が残ろうか?」 ガルーがラントアに向かって言う。 横に並んだフードの男の何かを訴えるようにじっと自分を見つめる視線にガルーが気が付いた。 「何だ?」 憮然とした態度でフードの男に尋ねると、男はそんなガルーをじっくりと上から下まで値踏みするかのように見る。 「何だよ?言いたい事があるならさっさと言え!」 「…気絶された時に、どう対処したら良いかと…」 「はあ?!」 まるで茹で蛸のように真っ赤な顔をしてガルーが男に向き直る。 「ふざけるな!!俺はこの国の守りの要、精鋭部隊を率いる騎士団長ガルーだ!!気絶などと、するわけがないだろう!!ラントア、お前は扉の外で待っていろ!!この俺が、騎士団長ガルーがしっかりと器官合成の術の一部始終を見守ってやる!!!」 「…あんなに息巻いていたのに、ものの数分も持たなかったか…」 扉の中で何かがひっくり返るような音が聞こえ、しばらくすると扉が静かに開き、ガルーに怒鳴り散らされていた男が顔を出した。 「…ダメだったか…」 「はい。術が始まるとすぐに…。」 「そうか…くっ!くくくっ!」 ラントアが我慢できないと言うように先程までの殊勝な顔から一転、身を捩って笑い出す。 「ラントア様?」 「ああ、すまない。あれほどにいばり怒鳴り散らしておいて…くくくっ…」 笑いの止まらぬラントアを困ったような目で眺めていた男が、後ろに向かって頷くと、扉の影で何かをその肩に担ぐ。 ラントアが笑うのを止めて、その担がれた者を男から受け取った。 青ざめ汗の浮かんだ額のままで目を瞑り意識がないガルーの顔を見る。 「それでも、お前には感謝しているよ、ガルー。」 そう言うラントアを横目に、男が扉から出てきて廊下に置かれた木のベンチに被っていたフードを脱いで敷くと、ラントアがガルーを寝かせた。

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