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第10話
気持ち悪さの為なのか、思いのほか静かに抱かれたままでいるスーラを自室のベッドに横たわらせた。
「スーラ…お前のその不調を治してやる。」
そっと耳元で囁くとスーラがビクッと身体を震わせて、掛かっていた白い布を頭から被った。
「何をするのか…知っているようだな。」
スーラが布の中で激しく頭を振る。
「知らない…僕は何も知らない!聞いてない!」
「そうか…ならば教えようか?」
「え?!」
かかっていた白い布にラントアが手をかけると、それが一瞬で宙に舞った。
「やだっ!!」
スーラがその布を掴もうと上半身を起こして手を伸ばす。しかしその手は布に触れる事なく、ラントアの手に掴まれ頭の上のベッドに押し付けられるとその勢いのまま押し倒された。
ラントアがその上に馬乗りになる。
「やめろっ!やだっ!!いやぁっ!!」
頭を振り、自由な手でラントアの胸を叩く。ラントアがその腕も掴むと落とした布の端を噛んで細く引き千切り、それでスーラの両手首をかたく縛った。
それを解こうと手首を動かすスーラの動きが突如止まった。
「ラ…ラントア…やめ…っ!」
ラントアの指から身を捩って逃げようとするスーラの肩を掴むとその指がスーラの下半身をなぞり上げた。
「ひあっ!」
「可愛い声だ…そしてここも可愛いな。」
「うる…っん!」
「声が飛んでる…俺の手で感じてるんだな…スーラ、嬉しいよ。」
スーラがぎゅっと唇を噛んで与えられる快楽によって出そうになる声を我慢する。
それを見たラントアがその唇を指でなぞった。
「我慢するのはいいが、唇に傷が付く…噛むなら俺の指を噛め。」
唇を撫でていた親指に力を入れてスーラの口の中に押し込む。
開かされた口から我慢していた声が漏れ出た。
「あっ!やぁっ!いやぁ…あぁっ…はぁ…っなしてぇ!」
開けられた口はもう閉じる事は出来ず、その口から溢れ出る甘く切ない声が部屋を満たしていった。
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