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第15話
「いつまで、口を塞いでいる気なんだ?!」
ラントアの部屋に入るとすぐにスーラがラントアの顔を手で押しのけて唇を離した。
「俺は一日中でも塞いでいたいんだが?」
そう言ってまたも顔を近付けてくるラントアの腕の中からスーラが羽根をバタつかせて飛び立とうとする。
しかし突如、全身から力が抜けて羽根を閉じた。
「なんで?力が…ぬけ…る…」
ラントアにベッドに寝かせられるも、なんとか起きようと腕で身体を支えるが、すぐに肘からガクンと力が抜けて、その身体をベッドに横たえた。
「これも…術の…せい?」
途切れ途切れの言葉、すでに瞑り掛けの瞼にラントアがキスをした。
「やめ…ろ…んっ…やだ…っはぁ…くぅ。」
ラントアの手がスーラの背中の紐をほどき、さらっと布を落とすと、すでにスーラの体の中心で、ラントアからの刺激に反応した昂りにそっと手を添えた。
「正直で可愛いな…それにここも、こんなに期待して滴っている。指が飲み込まれそうだ。」
双丘の間に指を入れられ、出るはずのない男を受け入れる為の体液を音を立ててかき回され、それがくちゅくちゅと独特のいやらしい音を出し始めると、我慢して手で覆い結んでいた口から、無意識に甘い声が出る。
「あぁああ!いやっぁあああ!はぁあああ…んぁっくぅ!音…はずか…しぃ…あああああぁぁ!」
前後両方への刺激に腰を浮かせ、身体を痙攣させながら、昂りを震わせてラントアの手に体液を放った。
はあはあと息を荒くしているスーラの体液を舐めながらラントアが尋ねた。
「力は戻ったか?」
訳もわからず、こぶしをぎゅっと握るといつも通りに力が入った。
どういう事?と目で尋ねるスーラに、子孫残しの術のかかった彼の国の者達が、その相手やこの国から逃げようとした時に、発動するモノだ。
もしも、この国から逃げようとするならば、今よりももっと体が動かなくなるはずだ。
だが、このように愛し許されればすぐに落ち着くし、身体に力も戻り動けるようになるとラントアが説明した。
「僕の自由も…僕の心の自由までも無くなったって事?!」
「いや、お前の心はまだ自由だ…逃げようとさえしなければな。」
「そんなの自由じゃないじゃないか!?」
「スーラ…」
何かを言いたそうに口を開きかけたラントアだが、それをぐっと飲み込むと、涙目で睨むスーラを抱き寄せた。
「そんな可愛い顔で睨むなよ…もっと泣かせたくなる。」
「…っ!泣いてないっ!」
「ふぅ…ん。」
「なんだよ?泣いてないって言ってるだろう!」
ラントアがムキになるスーラを見て、その目の奥が怪しく光った。
それには気付かないスーラが、横を向いて泣いてないと騒ぎ続けている。
「だったら…」
ラントアに視線を向けたスーラの顔が何かを悟ったかのように強張る。
「だったら、お前が泣いていると分かるくらいに俺が泣かせてやろう。」
「や…だ…。ラントア、やだぁあああああ!」
その腰をぐっと押し付けると、既に受け入れる体制十分だったスーラの奥深くにラントアが圧迫感を与える。
いきなりの行為に無意識に涙が溢れ、頬を伝う。
「もう、泣いてしまっているのか?…だが、本番はこれからだ。その涙の枯れるほどに俺が泣かせてやる…っ!」
嫌だと首を振るスーラの体に腰を打ちつけ、その涙を舌で舐めとる。
スーラの泣き声が甘い喘ぎ声に変わり、それは何度も絶頂に向かって大きくなっていった。
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