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第17話
スーラが目を覚ますと、じっと自分を見つめているラントアの視線とぶつかった。
「スーラ、おはよう。」
微笑むラントアに一瞬緩みかけた心が、体の痛みで自分の現状を思い出し、背中を向けた。
「うっ!」
寝返りですら痛む。
スーラはなぜそうなったのかの諸々を嫌でも思い出して身体が熱くなっていくのを感じ、身を捩った。
その動きを見逃さず、後ろからラントアの手が回り、スーラの下半身を掴んで擦り出す。
ラントアの手を外させようと抵抗するが、体の痛みと疲れ、そして何より与えられる快楽によって思っていたほどの力を出せず、昂りがスーラの中心でどくどくと脈打ち出す。
「はぁ…もうっ…くうぅん…んあっ…ぁあああぁぁ!」
スーラの我慢できずに出た声を、ラントアが後ろからその口で絡めとり、手の動きを早めていく。
もう片方の手をスーラの頭の下から静かに抜くと、すでに滴りが太腿を伝っている自分を受け入れる所に指を当てる。
「もうこんなになっているのか…それなら…っ!!」
スーラは身体をうつ伏せにされて、その身を一気にこじ開けられた。
「やぁああああああーーーーー!!」
悲鳴を上げても、ラントアの非情は止まらず、それどころか奥へ奥へと腰を打ちつけてくる。
「あ…あ…あ…あ…」
半開きの口からはその形に固定された音がラントアの腰が打ち突くのに合わせて、無意識に出るのみ。
「スーラ、何故だ?!くそっ!!何でだ?!」
ラントアがうわごとのように繰り返して腰を打ちつけ続けるそれが激しくなっていく。
「ああああああああああああ!」
スーラもそれに合わせて、細かな単音を声を大きくしながら、と同時に身体をのけぞらせ、絶頂の近いことを伺わせる。
「まだだ!!」
ラントアの手が擦っていたスーラの昂りをぎゅっと掴んだ。
すでに準備万端に先を滴らせていた昂りはその行き場をなくし、その刺激によってスーラは自分の状況を理解して手をはずさせようともがく。
しかし、ラントアはその体に重さをかけ、奥深くに突き進むと同時に、スーラの動きを封じた。
激しく打ちつけられていた腰がその動きを止めて、スーラの腰に押し付けられ震える。
「ああ…あああ…やあぁぁ…」
昨夜、溢れ出ていたそこはすでに何もなく、ラントアの熱を体内に吸収していく。
「っかせて…イかせてよぉ…あああ…」
哀願するスーラを仰向けにすると握った手はそのままで、スーラを抱き抱えて自分の上に座らせた。
「はぁあ…ぃやぁあああああああ!!」
スーラの重さで今までよりも奥深くに受け入れたラントアに激しく突かれ、絶叫が部屋にこだまする。
握られた昂りの出せない苦しさと、頭を振り乱すほどに苛む快楽の渦に声も痙攣も止まらず、身体が敏感になっていった。
「やだっ!…な…何これ?…やだっ!」
涙を流して、身体を揺らすスーラの一層大きくなる声と、ラントアを煽るように締め付けてくる動きに、ラントアの昂りがスーラの中で一層膨らんでいく。
「き…っつぃいいい!もっ…離し…てぇええええ!」
何とかラントアの手を外させようとするが、その腰の激しさにラントアの腕を掴んで身体のバランスを何とか保つ。
「俺を受け入れろ、スーラ!」
「受け…入れて…る…あああああああ!」
スーラの言葉に、ラントが顔を歪めると、腰をグッと押し付けて突く。
「俺を心から受け入れろ!!身体でだけ受け入れても意味がないんだ!!心から俺を受け入れろ、スーラ!!」
激しく打ちつけられる腰に、スーラの意識が遠のいていく。
…ラントアの心…受け入れる…ラントアの心…………仇…仲間を滅ぼした、仇!!
スーラの目が見開き、翼が翻る。
「仇の心なんか受け入れられるわけがない!!」
羽をバサと動かした途端…スーラの動きが止まる。
「な…んで…う…ごかせ…な…ぃ…」
「俺から逃げようとすれば、身体が動かせなくなると言ったはずだ。俺の許しが出るまで、その身はそのまま…だが、まあいい。するには丁度いいしな。夜までにお前の中を俺でいっぱいにしてやるよ…今日も、明日も、お前が俺を心から受け入れるまで、許しはしない。その身に証ができるまで…俺を受け入れさせる、身も心も!」
固まったままで涙を流すスーラに一瞬目をやるが、ラントアはそれを振り切るように顔を背けて腰を打ち続けた。
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