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第20話
スーラの髪を優しく撫でながら、横たわるラントアの耳に、小さく扉をノックする音が聞こえた。
そばにあるガウンを素肌に羽織り、扉に歩み寄って行く。
「ガルーか?」
「ああ。今、いいか?」
「ああ、入れ。」
扉を開けると、ガルーが身体を入れた。
ラントアが手放した扉を、手を添えてガルーがそっと閉める。
「何だ?」
「…まだか?」
「…まだだ。」
「分かって…いるよな?既に噂として城中がそれを知り出し、ざわつき出してる。言ったはずだ。これだけの大事を秘密にしておくなんて、そうは出来ないって。」
「分かってる。」
「だから、一刻も早く証を出させなければ…スーラの身は…」
「言うなっ!!」
ラントアの迫力にガルーが一瞬怯み、すまんと謝る。
それを、ラントアの手が制した。
「いや、今のは俺が悪い…すまない…八つ当たりだ。」
置いてあるソファにラントアが座ると背もたれに頭を乗せた。
「思った以上に俺は想われてはいなかったようだ…どれだけ身体を受け入れさせても心は受け入れようとはしない。仇なのだから仕方がないと言えばそうなのだろうが…それでも俺は…」
目を瞑りため息をつくラントアの横にガルーが腰を下ろした。
その顔がラントアに近付いていく。
「やめろ…」
「拒否できるならな…」
「やめろ…ん…」
唇が合わさり、ガルーの舌がラントアの口内で蠢く。
その手がガウンの中に滑り込み、胸の突起を弾く。
もう片方の手は下半身を擦り、ラントアの足が開いていった。
「やめ…ろ…」
言葉では拒否しても身体は何の抵抗も示さず、ガルーにされるがままに身体を開いていく。
「時間もないし…まあ、いけるよな?」
「や…め…っくぅううううううう!」
解されていない双丘の奥に、そそり立ったモノを無理やりねじ込んでいく。
引けそうになる腰を掴み自分の膝に乗せると、その体重で奥深くにガルーを飲み込んだラントアの背中がのけぞった。
「ーーーーーーっ!!」
「ほら、動くぞ!」
「っめ…ろっ!!」
ズンズンと腰を打ちつけられ、ガウンを口に入れて声を我慢するラントアに、躊躇なく動きを激しくしていく。
「イけよ…イけっ!!」
「あ…ぁ…ーーーーーーーっ!!」
痙攣する身体を抱きしめられ、その欲を放つラントアの中からガルーが自分のモノを抜いた。
「ほら…ラントア、飲めよ。」
息を荒くするラントアの口に自分のモノを押し付けると、ラントアがそれを口に含んだ。
「…ラントア…」
ガルーの手がラントアの髪を優しく撫でる。
「受け入れてもらえない者の気持ちが少しは分かったか?」
「っ!?…ガルっぅうっ…」
「いいんだ…ただの戯れ言と聞き流してくれ…ほら、飲めよ!」
頭を掴んで激しく揺さぶられ、口の中に熱くドロっとした体液が広がる。
それをごくんと喉を鳴らしてラントアが飲み込んだ。
「さっさと出て行け!」
後始末も終わり、ラントアがはだけたガウンを着直すと、ガルーに向かって冷たい声を出した。
「はいはい。分かってるよ。」
「もう…」
「いいや、まだだ。お前には今は俺しかいない。そしてこれがその為の唯一の…」
「…分かってる、分かってるよ、ガルー騎士団長。」
「イヤミな口だ。」
俯くラントアの顎を上げて口付けを交わす。
「いらない事をするな。」
「ラントア王子への忠誠の証だ。」
「よく言う…」
じゃあなと背中を向けたままで手を振りながら、ガルーが部屋から出て行った。
「早く…スーラに…分かってる…分かってる。」
閉まる扉を見つめながら、ラントアが呟いた。
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