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第34話
「本当に、いいのか?」
二人がラントアを起こさぬように静かに部屋から出て、ガルーの部屋のベッドに横になる。
当たり前のようにガルーの腕に頭を乗せ、胸の辺りを指で円を描きながらサンクリウスがガルーの顔を見ずに聞く。
「今更…すでにラントアの証は消え去った…ソレが答えでは不満ですか?王子様。」
「そうじゃない!お前の気持ちを…ラントアへのずっと秘めてきた想いを、私は知っているから。」
サンクリウスが起き上がり、ガルーを見つめる。
そんなサンクリウスをガルーが見開いた目で見るが、すぐに笑い出した。
「サンクリウス、お前は俺のソレを知っていて、俺に術をかけて好き放題したんだろ?あの時はラントアへの想いは一切なく、サンクリウス、お前が欲しくてたまらなかった。だがそれは術のせいだった。お前のかけた心奪いの術…だが、今は違う。」
ガルーがサンクリウスの腕を引っ張り、自分の胸に抱き締める。
「あれは、そうでもしないとラントアに近付けなかったし…それに…」
何かを言い淀むサンクリウスの背中に手を這わせ、双丘を揉みしだく。
「話を…きっ…け…はぁあん!」
「俺がお前を選んだんだ…ラントアではなくお前を、サンクリウスを。」
「でもっ…いやぁっ!」
開かされた体内を再びガルーにねじ込まれ、奥深くを下から突き上げられた。
「なあ、俺の子を産めよ。お前にならできるはず…だろ?」
「産んで…どうする?」
「ただお前との子が欲しいと思った、だけじゃ不満か?」
「不満ではないが、スーラの中の子が…」
「殺せばいい…スーラ共々な。本当の王になるべきはお前だ、サンクリウス。
そしてその時はラントアも…。」
「ガルー!?」
「うおっ!俺を絞るなよ…我慢できなくなる。」
「んっ…ごかない…っで…はあぁあん!」
「お前の脅威となるモノは俺が全て排除しよう。彼の国との約定通りならお前がこの国の正統な王となる者。俺はこの国の騎士団長として、この国を守り導く者としてずっとそれを憂いていた。」
「ガ…ああああルー!!」
「もう聞こえていないか…」
「いっ!イっちゃ…イっちゃう!ガルー、イくぅうん!」
「俺も…サンクリウス!」
二人の身体が重なり合い、痙攣を繰り返すと、しばらくは荒い呼吸を繰り返していたが、間もなく寝息だけが静かな部屋を満たしていった。
そして動く影。
ベッドから音もなく下りると、ドアへと向かう。気持ちよさそうな寝息を立てている相手を振り返る事もないまま、部屋から出て行った。
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