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第41話
静かな洞窟の中に黒い影がスーッと入ってくる。
薄い布の上に横たわった二人の内の華奢な体に影が飲み込まれた。
静かに瞼が開き、ゆっくりと上半身が起き上がる。
隣で目を開けたままで横たわるガルーに視線を向けた
「ただいま、ガルー。」
手を伸ばし、顔に触れる。
何の反応も示さず、じっと天井を見つめる空虚な瞳。
「ガルー、あなたの予想は合っていたんですけどね…そう、スーラは私の部屋にいます。まあ、あとどれくらい生きていられるのかまでは私にもわかりませんが…」
ガルーの胸に頭を乗せ、その顔を撫でる。
「可哀想なスーラ。誰にも知られる事なくこの世を去って行くんですね。ガルー、あなたは私がこの手で…ガルー。」
かかっている布の下に手を入れ、胸を撫でる。
ガルーの体がピクンと反応した。
ガルーの耳に口を近付け、耳たぶを軽く噛んで囁く。
「抱いて、ガルー。」
こくんとガルーが無機質に頷いた。
寝ていたガルーの体が起き上がり、サンクリウスの体に覆い被さる。
そこに愛の言葉も甘い囁きも、優しく触れる愛撫もなく、ただサンクリウスの言うがままにその手を動かしていくだけ。
それでも、サンクリウスの身体はガルーに触れられているだけで熱を持ち、段々と甘く切ない声が洞窟内に反響する。
「ガルー、私の中にこれを入れて…」
頷いたガルーが、躊躇なくサンクリウスの中にねじ込んでいく。
「くぅうううううっ!」
そこまで解されていない所に、容赦なくガルーに奥まで入れられたサンクリウスの顔が苦悶で歪み、無意識に溢れた涙が頬を伝う。
「ガルー…ま…って…」
ガルーがその腰を止めた。
そっとガルーの額にかかる前髪をかきあげると、サンクリウスが深呼吸をした。
「これは私がラントアから大事なものを奪った罰…ガルー、激しく、激しく奥まで動いてっ!!」
頷いたガルーが勢いよく腰を動かし、サンクリウスの華奢な身体が、折れそうなほどに揺さぶられる。
「くぅっ!あぁああっ!もっと、もっと激しく!ガルー、私に痛みをっ!」
言われるがままに激しく打ち付ける腰。絶頂は迎えてもそこに幸福感はなく、心は乾燥してひりつく喉のように焼けるような痛みを感じていた。サンクリウスはガルーに背を向けるとその体を震わせ嗚咽を漏らす。赦すように抱きしめる腕も労わるように慰める手もなく、一人静かに痛みに耐える。
しばらくすると静かな寝息が聞こえてきた。
暗い洞窟内でじっとサンクリウスを見つめる瞳。その身体にかかっていた布が滑り落ちた。ブルっと身震いするサンクリウスの身体を覆うように優しく布がかけられた。
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