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第17話 猟犬様の戯れ③

 時に強く、胸筋の発達を確認するように揉まれ、かと思えば指先で形をなぞるように肌を滑らせていく。  こんな触られ方をされたことはなくて、戸惑いながらも希望は少し嬉しかった。    希望は聖歌隊に所属していて、よく歌う。だから、腹から胸の筋肉を使って声を出せるように鍛えていた。鍛えた成果が目に見えてきたのは最近で、風呂上がりに確認するのが密かに楽しみだった。  希望もライの腕や胸の筋肉を触らせてもらったことがある。手付きは少し乱暴だが、ライが希望の身体に触れる気持ちもわかるような気がする。それに、憧れるくらい逞しく強いライに気づいてもらえて、褒められたのは嬉しかった。    ライの指先が筋肉のラインをなぞると、ぴくっぴくっと身体が震えてしまう。それでも、ライの黒い尻尾がパタパタと揺れているから、これも戯れているつもりなのかな、と戸惑いながらも受け入れていた。    ――……でもっ、これはちょっと……っ!    希望はシャツを脱がされて上半身が露わになっている。ただ、頭は抜けたが、両腕はまだで完全には脱げきれていなかった。そのせいで、シャツが手首のあたりで丸まって絡まって、希望の頭の上でまとめられたままだから、うまく動けない。  その間ずっとライは希望の胸に触れている。  撫でたり揉んだりはもちろん、今は指先が突起近くまで近づいていた。   「ンッ……! あっ……んんっ!」   (なんでそんなとこまで触るの?!)    ライは淡く色づいた突起近くを指の腹で何度も擦る。突起には触れずに、二本の指で上下に擦ったり、周囲をなぞる。  皮膚の薄いそこは緩い愛撫にぷっくりと膨らんで、中心は紅く熟れてつんっと立ち上がっていた。まるで刺激を待っているような破廉恥さに、希望は思わず目を背けてしまう。   「っ……! ら、いさんっ!」 「ん?」    ライは首を傾げて希望を見つめるが、弄ぶ指先は止まらない。希望は身体をびくびくと震わせながら、瞳を潤ませてライを睨んだ。   「そっそんなとこ、擦らないでっ」 「そんなとこ? ああ、こっち?」 「あぁっ!」    ライが急に胸の突起をきゅうっとつねる。強い刺激に希望の身体が大きく跳ねた。ライは構わず、先端を優しく擦り、くりくりと指先で転がし始める。その度に希望は、甘い悲鳴を上げて身体を震わせた。   「いきなり触ったら痛がるかなーと思ってたけど」 「ひゃっ、ぁあんっ、だ、だめっ」 「……ははっ、大丈夫そうだな」    希望が面白いくらい反応を示すので、ライは「ここも弱いの?」とケラケラ笑った。  希望は顔を真っ赤にしてライを睨んだ。何がおかしいんだ! とライを睨み、抵抗しようとするが、シャツが絡んだままの両腕はどこかが引っかかっているらしく、ライには届かなかった。ライの片手で容易く抑え込まれていることも悔しい。   「……!! もっもうだめっ触っちゃっ……ンンッ!?」    抵抗の代わりに抗議しようと口を開くと、がぶりと遮られた。唇に触れた柔らかさに、言葉が一瞬にして飛んでいく。  キスされた、と気付いたのは、隙間から舌が捩じ込まれた時だった。   (なんでキスされてるの!?)    と考えていたら、厚い舌が絡みついて、引きずり出される。   「んっ、ンンッ!? んぅっ……!」    希望の舌はじゅっじゅっと何度も吸い上げられた。舌同士が擦り合い、そこから刺激が身体の奥まで響いていく。舌がこんなに敏感なものだとは知らなくて、希望は混乱した。   「ふぁっ、んっ……ま、まって、んぅぅ……っ! んんっ!」    胸を弄ばれ、身体はライの下でびくびくと震える。抵抗も抗議も許されず、口内も呼吸のタイミングさえもライに支配されて、希望には為す術がなかった。    ***   「――っふぁ……っ! んっ……!」    ようやく唇が解放されて、希望は深く息をついた。荒波から浮上したように、大きく息を吸って、呼吸を繰り返す。瞳はいつも以上に潤んで目尻に涙が溜まり、唇はしっとり濡れていた。  ぼんやりとした頭で視線を胸へを向けると、突起と周囲が、ぷっくりと膨らんで、濃く色づいていた。   (……唇も、胸も、じんじんする……)    何度も重ね合い、吸われた唇も、散々弄ばれた胸も、熱をもっている。紅く腫れて、甘く痺れ、存在を主張している。  ――その下も。   「……っ」    いつの間にか、――もしかしたら最初からかもしれないが――希望の足の間にはライの体が入りこんでいた。これでは、膝を曲げて大きく足を開かざるをえない。布越しとはいえ、ライが動く度に擦れ合い、交わりを彷彿とさせる。胸と舌の刺激も相まって、希望のそこは無視できないくらいに熱をもっていた。  幸い、ライが身体を起こしたので今は少し離れている。気付かれたくない、とそこを隠すためにこっそり足を閉ざそうとした。  けれどその前に、ライが希望の両足をぐっと押し広げてしまう。   「あっ……!」    希望が身体を強張らせて目を見開く。ライは構わず、僅かに隆起する中心を撫でたものだから、希望は堪らず、ああっと声を上げて、身体を震わせる。   「これ苦しくない? 脱いじゃおっか」 「ひっ、やっ……! あっあの、まっ……あっ、ぁあっ」    暴かれた恥ずかしさで戸惑っている間に、下着ごとズボンを下ろされてしまった。形の良い尻も上半身と比べるとむちりと柔らかそうな太腿も晒されて、両足をぎゅうっと閉じて震える。   「閉じたら触れないって」 「やっ……! さ、触んなくて、いいっ……!」    それなのにライは簡単に太腿の内側に手を突っ込んだ。希望はぎゅっと力を込めて耐えていたが、ライの指先が足の付け根、皮膚の薄いところを撫でると「ひゃあんっ」と悲鳴を上げて、力が抜けた。   「あぅっ……! ひぁっ、ぁあ……っ」    足を開いてもライは太腿の内側の弱いところを擽るように撫で続ける。そして、びくびくと身体を震わせ、抵抗もできないままの希望の中心に手を伸ばした。   「あっ! だめっ……! んっ……あっあぁ……っ」    希望の必死の静止も、嬌声に紛れては届くはずもなかった。

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