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※第107話

「なるほど……」  アリソンは感慨にそう呟くと、徐ろにミカエルの身体を向かい合うように抱き上げた。  そして二人は見つめ合う。するとアリソンの意志がミカエルの中へと流れ込んできた。脳内に直接語りかけてくるような感じだ。ミカエルにその力は無いが、アリソンにはミカエルの意志が伝わっているようだった。  お互いにそっと額を寄せ、気持ちを一つにする儀式のように、暫くの間静かな時間が流れた。 「ミカ」 「ん?」 「そろそろいいか?」 「あっ……」  重なり合ったお互いの下腹部。アリソンの男性器が徐々に硬くなっていく。誘うようにアリソンがミカエルの性器に擦り合わせてきたため、ミカエルの熱も一気に集まってきた。  さっきまで少し厳かな雰囲気だったのに、いつ火がついたのか。そうは言っても、アリソンから求められる事はとても嬉しいに決まっていた。ミカエルは直ぐにアリソンの首筋に抱きついて密着する。  アリソンはそのままミカエルを抱え、バスルームからベッドへと運んだ。  大きなタオルでミカエルの髪や身体を拭きながら、アリソンはずっとミカエルに濃厚なキスをしている。  自分の身体はもう十分だから、次はアリソンの身体を拭きたいのだが、なかなかアリソンは離してくれない。 「ふ……ぁ……アリ……んっ」  呼吸のタイミングでやっと唇が離れたと思ったら、また噛み付くように唇を重ねてくる。キスもまだ数えるくらいしかした事がないため、どうすればアリソンも気持ち良くなってくれるのかが分からない。ただただアリソンの愛撫に応えることで必死だった。 「ミカ……愛してる」  欲情に濡れきった青い目はとても扇情的で、ミカエルの欲も更に高められていく。 「オレも、アリソンを愛してる」 「あぁ」  眉と目尻が下がったアリソンの表情が、本当に幸せなんだと伝えてくる。ミカエルの胸は恋をしたてのように、ずっとドキドキが止まらずにいた。 「あっ!」  ビクリとミカエルの胸が反る。アリソンの舌先が小さな頂きに触れてきたからだ。舌先を尖らせて、乳頭を抉るように押し潰しては、吸い出される。 「あぁ……んぁ……や」  片方の乳首は爪で軽く引っ掻いたり、摘んだり押したりされている。それが両胸にくるわけで、ランダムな刺激はミカエルには強烈すぎた。 「や……アリソン……もう……や」  アリソンの胸への執着はかなりのものだ。前回のセックスの時でも乳首が真っ赤に熟れるくらいまで責められた。今夜も執拗なくらいに胸に執着している。 「な……なんで……胸ばっかり……あっん」 「はぁ……このピンクが徐々に赤く染まっていく様が凄くエロくてな。ミカの乳首は少し大きめだろ? だから余計に──」 「わぁあー! もう分かったから」  ミカエルは顔を真っ赤に染めながら、アリソンの口を手で塞いだ。

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