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※第110話
「アリソン……もう……イク……イきそう……一緒に、お願い」
「あぁ……俺もイきそうだ」
確かにイきそうなのだが、射精感とは何か違う感覚がミカエルを襲う。少し怖くなったミカエルはアリソンの腕に縋るようにしがみついた。
「なんか……くる……あぁ……や……こわい」
「大丈夫だ……怖くないから」
ミカエルを宥めつつも、アリソンの動きには容赦がない。高みへと向かいながら、ミカエルの呼吸を読んでいるようで、ラストスパートをかけてきた。
「あぁイクイク……ぁこわい……あぁぁいっ」
ミカエルが大きく胸を反らした直後、痺れが全身を走り抜けていった。僅かに痙攣を起こし、ミカエルは暫く快感の渦から抜け出せずにいた。
「ミカ、大丈夫か?」
羽が傷つかないようにと、アリソンの片腕は終始背中を支えてくれていたようで、そっとミカエルをシーツの上に戻してくれた。
やっとミカエルの焦点が合い、アリソンの顔もしっかり認識出来るようになる。そのアリソンは、ミカエルを心配そうに覗き込みつつも、目がまだ欲を孕んでいた。
「な、なに……いまの。まだずっとイってる感じがして……こわい」
痙攣はまだ治まらない。まだオーガズムが続いているような感じがし、ずっと気持ちいいままなのだ。自分の身体がおかしくなってしまったのかとミカエルは怖くて仕方がなかった。
「大丈夫。ミカは初めて中でイッたんだ」
アリソンがミカエルの頬に優しくキスを落とす。それだけでミカエルは酷く感じて、思わず声を上げてしまう。咄嗟に手で口を塞ぐが、アリソンに手首を掴まれ外されてしまう。しかしミカエルには拷問のように感じ、アリソンが触れた手首からまた快感が全身へと走っていった。
「やっ……ダメ……触ったら……ひっ……」
ミカエルの陽根はまだ硬く、先走りが溢れている状態だ。アリソンは中でイッたと言った。それがどういう事なのか、ミカエルにはまるで分からない。分からないが、さっきは確かにイッたのに、芯はまだ硬いままだ。
「どういう……こと? オレ、さっきイッたのに」
「それはドライオーガズムと言って、射精せずにミカはイッたんだ」
「え……?」
そんな事が起こるのかと、俄には信じられなかった。しかし実際に自分で体験してしまっている。射精はしていないのに、確実にイッた感覚がある。しかも射精するよりも遥かに、そう、比べ物にならないくらいに気持ちが良かった。
「中でイクと、相当気持ちいいと聞くが……。ミカは一層感度がいいから余程のものだろうな」
アリソンはまだミカエルに触れたくて仕方ないようで、手で触れようとしては引っ込めてと葛藤している。
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