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第11話
「あはは、冗談だよ」
怯えた俺を見て巧さんがそう笑った。
いや、冗談には思えなかったけど! しかし藪蛇になるといけないので俺は何も言わなかった。
巧さんが俺のパジャマのズボンに手を掛けると、先走りでシミをつくってしまった下着が目の前に晒される。
「もうぐちょぐちょだね」
下着越しに巧さんの指で性器をなぞられて、もどかしくなる。
直接、さわってほしい……布越しに指でつつかれるだけじゃ、せつない。
「葵くん、すごく物欲しそうな顔してる。どうして欲しい?」
自分では気付かないうちに強請るように巧さんを見ていたみたいで、少し恥ずかしくなった。
「たくみさん……」
「うん? 言ってくれなきゃわからないよ。ほら、言ってごらん」
絶対わかってるのに……! こんな中途半端な刺激じゃなくて、もっと気持ちよくして欲しい……。
だけど、羞恥心が邪魔して上手く言葉に出来ない。
その間も巧さんは指でゆっくりと刺激を与えてくる。
「……たくみさん、いじわる」
「葵くん、そんな可愛く意地悪なんて言われたらもっといじめたくなっちゃうよ、俺」
「えっ、もっと……?」
「うん、もっと」
巧さんの瞳が楽しそうに細められて、余計なことを言った事に気付く。
「葵くんの身体中に噛み跡つけて、乳首だけでイくように開発して、縦割れアナルになるぐらいセックスしちゃいたい。でも葵くんも気持ち良くなってくれる予定だから、全然意地悪じゃないかな?」
「なっ……!」
……縦割れアナルって何?! 尻の穴に縦割れも横割れもあるのかっ?!
縦割れアナルという未知との遭遇で、巧さんが何を言っていたかほとんど聞いていなかった。
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