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第20話
「うー、気持ち悪い……」
自分の部屋のベッドに倒れ込む。この硬いベッドの感覚、久しぶりだ……。
渚さんのエースは、シャンパンをポンポンと開けていって、宣言通り最後に高額な飾りボトルを入れた。
渚さんと一緒にラスソンを歌う姫は、それはもう楽しそうだった。
そして、ほぼその卓についていた俺は泥酔状態に近い。
「……また、〝K〟で働けて良かった」
〝K〟に戻ってこれた事を、じわじわと実感する。ここ数日で色んなことがあったけれど、こうしてまた同じ場所に戻ってこれて、本当によかった……もう絶対に、掛けなんかさせない。!
アルコールでふわふわする頭は気付かないうちに眠ってしまった。
それから一週間と少し経ったが、巧さんからの音沙汰が無い。
いや、別に普段から連絡し合う関係じゃないから良いんだけどさ……俺から連絡するのも何か違うし……。
巧さんの都合で呼ばれるのはわかっているけど、あんなにセックスしたから性欲強いのかなって思うし、そしたらあんまりにも期間が開くとソワソワするっていうか、不安になるっていうか……。
俺は巧さんに借金をしているから、やっぱ飽きたから風俗で頑張ってお金返そうね! みたいな展開になったら非常に困る。というか嫌だ。
もー、何で連絡してくれないんだよぉ……!
そんな俺の心情を読んだかのようにスマートフォンの通知音が鳴る。急いで送り主を確認すると、巧さんからの連絡だった。
『次いつ休み? ご飯か買い物行こうか』
……飽きられた訳じゃ無かった。ああ、良かった!
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